異世界の知識
蚊として生命を得たこの世界が、おそらく異世界であろう事はなんとなく理解してはいたけれど、実際に知識として得るとなんとなく、本当か?と、疑いたくなってくるよね。
まずこの世界の呼び方は、わからない。
そもそも、転生前の地球でも自分たちの世界の呼び方なんてなかったよね?
『世界』とか『地球』とは呼んでいたけれど、ほかの表現なんてなかったと思う。
転生後のこの世界でも、やっぱり『世界』である。
ただ、『地球』ではないらしい。
じゃあ、なんだ。という話になるんだけど、どうやら天体って概念がないようだ。
この世界では惑星であったり天体であったりという概念というか、知識が無いようだ。
たんに研究されていなくて発見、解明される前ってだけなのかどうなのか、詳しい事はわからない。
次に、まぁ、俺のこの状態。
『蚊』状態やね。
ぶっちゃけ、魔物だった。
うん。びっくりした。
虫じゃなくて魔物らしい。
魔なる物。悪い物って事ではなく、『魔力』を有する生き物、で魔物って事みたい。
『蚊』は最小に近い魔物であり、ぶっちゃけ最弱でもあるようだ。が、それにしては俺のこの『吸収』能力はなかなかに脅威だと思うのだけれど、実は通常の『蚊』にはそんな能力は無い、というのが一般的な常識らしい。
なので、さらに深く自分のことを調べる方法は無いかと考えてみたところ『鑑定』というスキルが存在する事がわかった。
まずは、このスキルの取得を目指すのがいいだろう。
で、だ。『スキル』。そう、『スキル』ですよ。
なんともそそられる響きでは無いか。
それが使用できるようになるかもしれない。
というか、おそらく既に使用しているであろうと考えられる。
そうです、『吸収』も『スキル』なのでは無いか。
まず間違いなく、『吸収』もスキルであろう。
ならば既に俺は『スキル』を使いこなしている事になる。
わぁい。