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プロローグ
病弱な高校生だった友輝が病気で亡くなったのは17歳の夏だった。
意識を失う前に見たのは、目の前を飛ぶ小さな虫《蚊》だった。
『ああ、虫ですら自由に動き回れるのか…
それに引き換え俺は、なんて不自由な一生なんだ…』
そんな事を考えながら友輝の人生は終わってしまった。
終わってしまったハズだった。
しかし、友輝は再び目覚めた。
そこは、どこかわからないとても暗い場所だった。
周りを手探りで探ろうとした時、不自然さに気がついた。
どうも自由に腕が動かない。
いや、腕どころか身体を動かす事に違和感がある。
一体何が起こったんだ?