拒絶拒否チキン
ポニーテール、 中学時代気さくに話かけてくれた女子を思い出す。あの頃、嫌、 今もだが同年代程の女子から話かけられるだけで気持ちは舞い上がる。自分ではあまり意識したことが無かったが、 よっぽどの女好きなんだろう。
周りから言わせればチョロいだの童貞臭いだの言われると思うが、 思春期真っ只中に不登校になったためにこちらから積極的に声をかけることすら怖い。一時期女性皆が性格悪いだの軽蔑の眼差しで自分を見てくる等身勝手に決めつけ、 勝手に女性不信になった程だ。向こうから話かけてくれるだけで、 心が温まる、 優しく包容されたい、 安らかに眠れるだろう。
行事の同じ班でその人を知った。喋りや性格ポニーテールあの人に少し似ていた。正確には、 時々後ろ姿を目で追っていた。普段の学校生活では女子と顔を合わさないように過ごしている。自分如きが目を合わせていいものだろうかと自分を卑下して過ごしていた。その方が楽だから。
自分が容姿に優劣を付けるにはランクが足りないことは自覚しているがその子は、 普通だ。そう中学時代のあの子同様、 生真面目そうな容姿。凄く好みだ。後ろ姿を見かけたその日から姿を重ね過ごしてきた。
行事の内容はBBQだ。通信制で人と関わることが少ないため、 学校側から交流の機会を作ってくれるのは助かる。準備やら焼きやら分担して作業を進め落ち着いた頃、 向かいに座っていた彼女は話しかけてきた。それは「肉お腹に溜まるね」や「野菜スゴイ多いね」などのその場の空気を明るくするための社交辞令のようなセリフ。軽度な吃音持ちの僕にとっては 、会話そのものが少し苦手なのだが実際話しだしたら案外会話が繋がる。
業務連絡のような会話も喋る機会が少ない僕にとってはすごく楽しいものだった。今回の出来事の中で学べたのは 、表面上女性は基本優しいと言うことだ。ネットに入り浸って過ごしていた自分の思想は偏っていたことを認識させられた。
良い一日だった。