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私と家族と

 深夜二時半、私は目を覚ました。飼い犬の声、鳴り止まないインターホンが家中に響いている。


 隣で寝ていた妻も驚いた顔でこちらを見る。私は身に覚えのない「それ」の訪問に戸惑いつつも、一家の主としての役目を果たすには様子を見に行く他ない。ベッドから立ち上がり、妻に一声かけて部屋を出た。その時にはインターホンは鳴り止んでいた。

 

吠え続ける犬の鳴き声は、この深夜の異常事態の深刻さと恐怖さを助長する気がした。それにこんな時間に犬が吠えることは、近所の人々からのクレームになりかねないと思い、先に犬の元へ行き泣き止ませることにした。犬が吠える時は「お座り」の指示を出すと大抵泣き止む。同時に二つのことをするのは、人間ですら難しく犬には出来ないのだろう。そうして、いつものように泣き止ませてから玄関へ向かった。


 靴を履き、ドアのチェーンロックをかけた。鼓動が速くなるのを感じる。ゆっくり鍵を開け外を覗いた。そこには何もなかった。チェーンロックを外し、外に出て周りを見渡してみるがやはり何も見当たらない。


 私はほっとした気持ちで家に入ると、妻が玄関まで来ていた。

「誰だった?」 「分からない、僕が出た時には誰もいなかったよ」

鍵を閉めリビングに向かった。誰もいなかったことに安心した自分に対する恥ずかしさをかき消すように、コップ一杯の水を一気に飲んで、「おやすみ」と言い寝室へ向かった。




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