表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界を服従して征く俺の物語!!  作者: ネコのうた
― 第三期・この世界の歴史と未来 ―
97/350

第97話 オーク族の姫

一方、勇者たちが、波状攻撃を仕掛けるも、前後左右そして頭上に【マジック・シールド】を出現させ女性のハーフオークに、防がれていた。


剣士のハーフエルフ妹が、水や氷の魔法をレイピアに【伝導】したり、【乱れ打ち】を展開する。


この【乱れ打ち】は、まさに“ランダムで突く”攻撃であり、消費MPは1回につき50ポイントで、“一度に10発”を放てるそうだ。


ちなみに、LV.100以下は1日10回で、100以上は20回になるらしい。


いずれにせよ、ハーフエルフの妹がそれらのスキルを駆使したり、魔人の姉や【魔導士】であるエルフ弟が魔法を使ったりと、このグループの面子が、“魔法の盾”を砕くも、すぐに復活されていた。


勇者が、


(埒が明かないわね。)

(いっそ、足元から“爆撃”で吹き飛ばそうかしら?)


と思案していたら、ジャイアントアント参謀役が、


「皆さん、一旦お止めください。」


と、言い出したのである。


魔法剣士が、


「どうしたの?」


と尋ねたところ、参謀役が、


「彼女は“フラッシュ”や“ビーム”などで反撃できる筈なのに、そうする気配がありません。」

「もしかして…、戦う意志が無いのでは?」


との見解を示した。


「考えすぎではありませんか?」


と、勇者が述べたタイミングで、何かに〝ハッ!〟と気付いた敵が、全ての【マジック・シールド】を自分で消して、


「降伏します。」


と告げたのである。


それは丁度、トーキーの魔人が、総大将であろうハイオークを“炎の柱”で倒し、エルフ族の国主補佐官が、魔術師のハーフオークを“抑制(鎖)”で捕獲した時であった…。



正座した2体を、俺たちが取り囲んでいる。


どちらも太ってはいるが、魔術師の男性は凛々しい顔立ちなので、痩せれば相当なイケメンだろう。


肩あたりまでの髪は黒い。


ハイクレリックの女性は、つぶらな瞳に、小鼻と、ポッテリ唇で、可愛らしいルックスをしている。


ブラウンの髪はボブであった。


そんな二人の頭には“豚の耳”が生えている。


俺の、


「思い残す事はないか?」


との問いかけに、ハーフオークのメスが、


「私はどうなっても構いません。」

「ですが、彼だけは助けてあげてください。」


と、頭を下げた。


それを、


「なりません、姫!」

「貴女様こそ、生き延びるべきです!」

「姫は、我ら“混血”の希望なのですから。」


とオスが説得する。


「それなら、妹に任せれば大丈夫でしょう。」


と、引き下がらない彼女に、


「あの御方は第四夫人の息女であり、貴女様は第三夫人の血筋ではありませんか!」

「姫こそが、この国を統治すべきなのです。」

「それは、あちらも快諾してくださっていますし、それに…。」

「貴女様を死なせてしまったとあっては、自分はあの世でいろんな方々に申し訳がつきません。」


と唇を噛み締めたのだ。


それらのやり取りを静視していた俺は、


「あー、盛り上がってとこ(わり)ぃんだが…、俺たちにも分かるよう話してくんねぇか?」


と、促すのであった―。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ