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異世界を服従して征く俺の物語!!  作者: ネコのうた
― 第三期・この世界の歴史と未来 ―
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第96話 連携

【魔術師】であるハーフオークの[シールドルーム(防御室)]に対して、聖女が、


「また、これ(・・)ですの。」


と、眉間にシワを寄せた。


一年生書記が「こちらのグループには、魔人の妹さんがいるので、あの時の生徒会長みたいに」と言いかけたところ、【騎士】のハーフエルフ兄が、豹の獣人に、


「奴の意識を俺達から逸らしてくれるか?」


と尋ねたのである。


「ええ、いいわよ。」

「でも、あっちの方が、私よりもレベルが上だから、もって2分といったとこかしら…。」


と、述べた豹に、


「それだけあれば充分だ。」


とハーフエルフの兄が返した。


「了解。」


と、受けた豹の獣人が、


スタタタタッ!


と駆けていきながら、敵の右側へと回り込み、体を白く〝カッ!〟と光らせたのである。


ハーフオークのオスが、これに釣られて、直径2Mの青い魔法陣を出現させ、それと同じ幅の(いびつ)な“クリスタル形の氷”を、


ドンッ!


………。


ドンッ!


………。


と、かなり雑に飛ばしていく。


これは、[アサシン]の【挑発】(消費MPは1回につき40ポイント)というスキルであり、レベルが100以下だと1日5回が限度で、100以上であれば10回になるそうだ。


更に、同格が相手の場合はタイムリミットが5分であるものの、格上になればなるほど、4分30秒、4分、3分30秒、3分、…、と減少してしまうらしい。


だが、格下には、5分30秒、6分、6分30秒、7分、…、と増加するとのことだった。


いずれにせよ、これ(・・)を用いられると、怒りで冷静さを失い、物理であれ魔法であれ、攻撃が大振りなってしまうのである。


また、“挑発”を発動した者しか、狙えなくなる(・・・・・・)らしい。


あたかも、他は目に映っていないかのように。


そうなると、全ジョブ中で一番のスピードを誇るアサシンであれば、容易く(かわ)し続ける事が出来るのだそうだ。


さて。


半豚の魔術師が、豹にのみ集中させられている間に、キューブに近づいたハーフエルフ兄が【シールドスウィング】を放つ。


これによって、防御室に、幅20㎝のひびが〝ビキビキィンッ!〟と入ったのである。


再び全身を白く光らせた騎士の槍が、熱を帯びてオレンジ色になった。


それは、バンプレート(護拳)状の、銀のランスであり、長さは3.8M程のようだ。


その切っ先で、【シールドルーム】の亀裂を、


ガツンッ!


と突いたところ、


ボォオオオンッ!!


と、爆発して、直径50㎝くらいの穴が開いたのである。


ハーフエルフ兄が、右に〝スー〟と移動した。


そこを、“黄色に輝く矢”が、


ビュオッ!!


と通過していき、ハーフオークの左肩に、


ズブシュッ!


と、刺さって、


ビリビリビリビリィッ!!


と感電させたのである。


どうやら、冒険パーティーのリーダーであるエルフ姉が()ったようだ。


ちなみに、二人とも【伝導】を使ったらしい。


なにはともあれ、敵が、


「ぐうぅッ!」


と、呻きながら、右膝を着いたことによって、防御室が〝フッ〟と消えた。


魔術師のハーフオークが、雷撃に痙攣しながらも、どうにか意識を保とうとしている状況下で、


「皆、よくやった。」


と声を掛けた[国主補佐官]が、スキルを発動する。


すると、敵の足元から、白銀で半透明の、幅15㎝×長さ5Mの“鎖”が、4本、


ビュンッ!


と、現れた。


そして、ハーフオークの、右腕・左腕・胸部・左脚に、


グルグルグルグルッ!


と巻き付いて、地面と固定させたのである。


それは、【抑制】(消費MPは1回につき80ポイント)というスキルらしい。


LV.100以下の場合は1日5回で、100以上は10回となり、その効力(制限時間)は、アサシンの“挑発”と同様との事だ。


一年の生徒会書記が、興味津々で、


「私にも収得できますか?!」


と、補佐官に窺うも、


「残念ながら、エルフ族の“ハイクレリック”ぐらいしか得られないようです。」


との答えに、


「そうですかぁ…。」


と、気落ちしてしまったのである。


しかし、


「それ以外に可能性があるのは、聖女と、騎士の進化系である“パラディン(聖騎士)”です。」

「あとは、人族のクレリックから稀に派生するユニークスキル“クレリックランサー”が扱っていたとの伝承がありますよ。」


と教えてくれたことによって、


「おおーッ! クレリックランサー!!」


と、瞳を輝かせる一年生書記だった―。


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