表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界を服従して征く俺の物語!!  作者: ネコのうた
― 第三期・この世界の歴史と未来 ―
94/350

第94話 オーク軍・其之肆

俺の右隣に〝スッ〟と並んだ森人族の長が、金のナックルガード(護拳)が付属している柄(通称:スウェプトヒルト)を両手で握り、自身の顔の左側で、細身の剣を構えたようだ。


そう、彼女は左利きなのである。


そんな国主の、レイピアの刃部分から、


バチッ!バチバチッ!バチィッ!


と、電流が発せられていく。


「はッ!!」


と森人族の長が剣を突き出したところ、幅10㎝ほどの雷が、


ズバォウッ!


と、放たれ、ハイオークに、


ズババババァンッ!!


と、直撃したのだ。


少なからず驚きつつ、


「アーティファクトか?!」


と訊ねる俺に、


「いいえ。“伝導”という、エルフ族の少数が得られるスキルです。」


と、国主が答えた。


(そういや、“可視化”でみたとき、そんな表記があったな。)


と記憶を辿った俺が、


「武器で魔法を使えるってことか??」


と、疑問を呈したところ、


「まぁ、ほぼ正解ですが…、厳密には〝魔法を武器に伝わらせる〟能力です。」


と答えたのである。


「それって、狙撃手のエルフや、騎士と剣士のハーフエルフ兄妹も、収得しているんじゃなかったっけ?」


と、聞いてみたら、


「あの子たちは、自国に居たころにはそれを得ていませんでしたが…、旅を経て成長したようです。」


と森人族の長が微笑んだ。


ともあれ、仰向けで倒れていた敵が、いささかフラつきながらも立ち上がる。


「おッ!? あいつ、タフだなぁ。」


と俺が感心していたところ、豚の獣人に近づいていったトロールが、右手に持った“棘の棍棒”をアッパースイングした。


しかし、“(ノコギリ)の大剣”を横にしたハイオークに、


ガシンッ!!


と、阻まれてしまったのだ。


今度は逆に、敵がラージソードを右から左へと薙ぎ払う。


だが、左手に持っていた縦長で五角形の“大楯”に身を隠すと共に、トロールが全身を光らせた。


装飾が施されている紫色のグレートシールドは、縦の長さが4Mで、最大横幅は1.3Mである。


いずれにせよ、〝ブンッ!〟と迫る“鋸の大剣”を、真正面から、


ガンッ!!


と受け止めたのだ。


これは、【防ぎきる者】(消費MPは1回につき100ポイント)という“騎士”のスキルであり、自分よりレベルが高い者の攻撃であっても、完全にガードする(・・・・・・・・)ことが可能らしい。


ただし、現段階でのトロールは、1日5回が限度みたいだった。


レベルが100を超えれば、倍の回数になるようだ。


ちなみに、【伝導】(消費MPは1回につき50ポイント)は、LV.100以下だと1日10回で、100以上は20回である。


にも関わらず、森人族の長は“無制限(・・・)”となっていた。


そういうところが、彼女が“天才”と呼ばれる所以であろう。


多分、きっと、おそらく、maybe。


ん?どれも一緒だな。


…………。


気を取り直して!


俺のスキルに“回数の縛り”が無いのは、同化した【旧魔王】がそういう存在だったからだろうと推察できる。


ま、こればかりは“チート”だとしか言いようがない。


それはさて置き。


(ひそ)かに、


(つーか、出番なくねぇッ!?)


と、思わずにはいられない俺であった―。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ