表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界を服従して征く俺の物語!!  作者: ネコのうた
― 第二期・各々の立場 ―
64/350

第64話 兎の国の状況

兎族の王妃が、


(わたくし)どもの国は、我が夫でもあり王である“ヴォルパーティンガー”が治めておりました。」

「しかし、1ヶ月ほど前に、四将軍の筆頭であった者が謀反を起こしたのです。」

「これに、NO.3とNO.4のジェネラルも従ってしまいました。」

「国王とNO.2の将軍が対抗するも、旗色が悪く、私どもの後ろに控えている家臣を警護につけて城より脱出させたのでございます。」


と、経緯(いきさつ)を説明した。


俺が、


「何故、他の魔族を頼らなかったんだ?」

「モンスター達にとって、人間は敵だろうに…。」


と疑問を呈したら、


「夫より〝断られるかもしれんが、サータ王に、トーキーの魔人殿との縁を繋いでもらい、助力を願え〟との指示を受けましたので、それに従ったのでございます。」


と、答えたのである。


「俺の情報が洩れているのか?!」


と少なからず驚いたところ、身長が162㎝くらいで、亜麻色のショートヘアであり、瞳が茶色い、武闘家と(おぼ)しき、メスのワーラビットが、


「恐れながら、近隣諸国の動向は常に探っていましたので…、かつて起きた〝ゴブリン国とのいざこざ〟を入手しておりました。」


と、述べたのだった。


「成程…。」


と理解を示しつつ、


「結局、お前たちの祖国が、どうなったのかは、分からないんだよな?」


と、訊ねてみたら、王妃が、


「サータ王国へと渡って来る頃に、〝クーデターが成功した〟との噂を耳にしました。」

「なので、おそらく、夫は、もう…。」


と目頭にハンカチを当てたのである。


王子が自身の両手を、膝の上で、〝ギュッ〟と握りしめ、


「この政変に納得していない者たちが各地で蜂起(ほうき)したとも、聞き及んでおります。」

「なので…、僕たちは、父の無念を晴らすだけでなく、彼らの為にも、全てを奪還せねばならいのです!」


と、涙を堪えて決意表明したのだ。


「お前らを疑う訳ではないが、俺たちをおびき寄せる罠かもしれねぇからな…。」


「ふぅー。」と軽く息を吐いた俺は、


「悪いが、念の為に、〝支配〟させてもらうぞ。」


と【絶対服従】を使ったのだった。



この国の東端に在るという[城塞]の(そば)まで、ここの魔術師が【瞬間転移】で連れて行ってくれることになったのである。


サータ王が、


「こちらからも軍勢を送り込みましょうか?」


と、提案してくれたが、


「いや、あまり大事(おおごと)になってしまうと、魔王に知られるかもしれん。」

「〝魔物たちの権力争いに人族が介入した〟となれば、(いぶか)しがって、なにかと調べまくるだろう。」

「そうなれば、俺のこともバレれてしまう危険性がある。」

「現時点では勝てないだろうからな…。」

「正直、ラスボスとの戦いは未だ避けておきたい。」

「そこで、だ。」

「今回は、王子である彼に、“小さき英雄”になってもらうとしよう。」


と提案したのであった―。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ