表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界を服従して征く俺の物語!!  作者: ネコのうた
― 第二期・各々の立場 ―
48/350

第48話 宣戦布告

この一週間で、一年の生徒会書記が、自身を含めた10人を集めた。


女子6人の男子4人で、ファンタジー系の漫画やアニメとゲームに詳しい面子だ。


なかには国際留学で訪れていた外国人もいる。


ま、全員オタクではあるのだが、その知識は大いに役立っていた。


例えば、ガソリンや電気などの代わりに、「風と炎の魔石を使う」ことを提案してくれたことによって、幾つかの乗り物を作れる可能性が出てきたのだ。


今のところ[機関車]と[飛行機]が候補に挙がっている。


車やバイクは、未だ、この世界の職人たちには難しいそうだ。


飛行機も実現できないのでは?と思われたが、「船を用いれば良い」と一年生書記たちのチームが主張した。


そう、所謂、[飛行艇]である!


ここら辺りは、[科学開発班]を中心に、既にプロジェクトが動き出しているのだ。



一方、全部活のアピールを見終えた王族と各大臣が、空いている大広間にて論議していた。


「どのスポーツから着手するのか?」


「競技場は何処に設立するのか?」


「予算はあるのか?」


「もっと民衆に広めて理解を得てからにすべきでは?」


等々、話しは尽きないらしい。


そこへ、トーキーの西に隣接している[グーマ王国]から使者が来たとのことだ。



[玉座の間]にて、トーキー王を筆頭とした要人たちが応対したところ、


“こちらの王子と、そちらの王女との間で、取り交わされていた婚約が破棄された件は、甚だ遺憾である。


また、それに伴い国交が断絶されている現状も嘆かわしいばかりだ。


これより一ヶ月の猶予を与える故、婚約も国交も元に(ふく)すよう申し渡す。


もし、拒否したり、無視すれば、大軍を送り込み、トーキーの国土を蹂躙する。


これは脅しではない。


真摯に受け止めよ。”


と、その使いの者が、ダーマ王からの書状を読み上げたらしい。



現在、会議室にて――。


聖女が、


「お嫁には行きません!」

「絶ぇっ対にぃ、嫌ですわッ!!」

「噂によると、あちらの王子は、背が小さく、太っていて、我儘で、陰険陰湿だとか…。」

「そんなもの、主様とは雲泥の差です!」

「グーマに嫁ぐくらいならば、(わたくし)は、自決いたします!!」


と怒りを爆発させた。


これに、勇者が、


「全くもって、その通りです!」

「〝主様の凄さ〟を知ってしまったなら、他では満足できません!」

「しかも、お相手は、かなり、どぉ~しようもない人物の様子。」

「屈する必要など、ありません。」

「真っ向から、受けて立ちましょう!!」


と、援護したのだ。


こいつらは、意気投合したらしたで、(やかま)しい。


「しかし、腑に落ちませんな。」


と開口したのは、中将軍だった。


「まず、〝勇者が召喚されたこと〟は、東の大陸全土に広まっている筈であり、これから世界中の耳に届くことでしょう。」

「また、近隣諸国には、ご主君の存在も知れ渡っているかと…。」

「つまり、グーマ国にとっては無謀以外の何物でもないのに、戦を仕掛けてくるのが不思議でなりません。」


と、締め括る。


続いて、大将軍が、


「ふぅむ。勝算が無いのに挑んでくる…、と、なると、何か“裏”があるかもしれんな。」


と険しい表情になった。


ミノタウロスが、いつになく真面目な顔つきで、


「ご主君。グーマの更に西には、我が故郷がございます。」

「歴史的にも、下剋上による内輪揉めが頻発しており、なかなか、まとまりませんでしたが、3~4ヶ月ほど前に、統一が成されたらしく…。」

「両国が手を組んだやもしれません。」


と、述べたのだ。


考えを整理した賢者が、


「双方に、利点はございますな…。」

「ご主君と勇者殿を討てば、“ミノタウロスの国”は自分たちを顕示でき、周囲への影響力を伸ばしていけましょう。」

「また、現魔王に忠誠を誓う腹づもりならば、良き土産となり、大出世に繋がるかと…。」

「グーマにしてみれば、姫君を手中に収め、トーキーを従属できれば、万々歳なのでは?」


と解説したのである。


「あり得るな。」


と、同意した俺が、


「“ミノタウロスの国”は強いのか?」


と訊ねたところ、魔人の妹が、


「オーガやギガンテスなどに引けを取らない“戦闘集団”と認識すべきでございます。」


と、答え、姉が、


「ですけど、主様の“服従”スキルがあれば、そこまで心配は要らないでしょう。」


と補足した。


これに対してジャイアントアントが、


「恐れながら、ミノタウロスロードと最高幹部たちのレベルによっては、楽観視でき兼ねます。」

「最悪、全滅することを想定しておいたが宜しいでしょう。」


と、言い、うちのミノタウロスが、


「然り。」


と頷いた事によって、重苦しい空気が流れる。


外は、雷を伴う激しい雨だった―。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ