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異世界を服従して征く俺の物語!!  作者: ネコのうた
― 第二期・各々の立場 ―
35/350

第35話 聖女

あれから1週間…、何度なくトライしてみるも、[金のゴーレム]を500体ほど倒すのにMPの全てを消費する有様で、一向にB3を攻略できずにいた。


剣などの物理攻撃もある程度は効いているようだが、破壊しきるには至らない。



遺跡の外に座った俺が、山頂で悠長に一服しながら、


(んー。参ったなこりゃ。)


と、ぼんやり空を眺めていたら、正面から、


ドドドドドドドド…


と聞こえてきたので、


「いや、ジ○ジョかよ。」


と、思わず呟いてしまった。


その正体は、大将軍を筆頭にした人間たちや魔物どもが山を駆け上がって来る足音だった。


立ち上がって迎えた俺が、


「確か、到着は来週だったんじゃ?」


と聞いてみたら、大将軍が、


「ゼェ、ハァ、ゼェィッ…、その予定だったのですが、ゼィッ…、〝一刻も早く、ご主君の元に馳せ参じよう〟と意見がまとまりまして…、ハァ、フゥー、日々、全員で走りに走りまくった次第にございます。…うぷッ。」


と、自身の右手で口を押えて頬を膨らませ、リバースしかけたが、どうにか持ち堪えた。


「いや、何も焦って来なくても良かったのに。」


と言う俺に、瞳が赤くて毛並みが黒い[犬のモンスター]の背から降りた女性が、


「そんな冷たいこと(おっしゃ)られないでくださいまし。主様。」


と、声を掛けてきた。


彼女は【騎士】っぽい銀の甲冑を装備しており、青色のマントは肩当てと一体化している。


なかでも、ティアラ風の兜が特徴的だ。


「お前…、王女か?!」


と驚く俺に、


「はい。主様。」


と、ニッコリ微笑んだ。


(この状況は?)と首を傾げる俺に、[蟻の魔物]の背から降りた小将軍が、


「実は…。」


と口を開きながら近づいてきた。


よく見れば、勇者一行などの女性陣は何かしらのモンスターに乗っていたので、ダッシュでここまで来たのは男性陣だけのようだ。


(んんー…。これは、レデイファーストとなのか? 寧ろ〝女尊男卑〟なのか??)


と、目を細める俺に、小将軍が、


「我々の出発の準備が整いかけていた頃に、姫殿下が突然〝皆さんばかりズルうございます!(わたくし)も主様のお側でお役に立ちとうございます!〟と駄々をこねられ…、王陛下が〝いや、そなたは戦えぬのだから仕方なかろう〟と、おだなめになられたところ、〝じゃあ、戦えればよろしいんですね?!〟と言いだされ…。」

「魔術師の水晶で適性判断なされましたら、“聖女”との結果が出まして…。」

「これを賢者殿が〝申し分なし!〟とお認めになられましたので、渋々ながらも王陛下からの許可を得られた次第にございます。」


と説明してくれたのだが、イマイチよく分からなかったので、


「聖女?」


と、確認してみた。


これに、中将軍が、


「賢者殿によると、何でも〝百年に一度、現れるか現れないかの希少なジョブ〟だそうでして、〝成長すれば、勇者に勝るとも劣らない存在に成れる! とか、成れないとか?〟との事でした。」


と補足してくれたのだが、


「いや、どっちだよ!」


と、ツッコミを入れてしまった。


すると大将軍が、


「どうやら“聖女”に関する資料は少ないらしく、賢者殿も〝全貌は理解しきれていない〟そうでございます。」


と締め括った。


一連の流れを経て、王女改め[聖女]が、


「よろしくお願い致します、主様。」

「すぐに勇者さんを追い越してみせますので、重宝がってくださいませ。」


と、頭を下げる。


これには勇者が腕組みして、


「フンッ。そう簡単にいくかしら?」


と挑発的な態度を取る。


「今日中にでも。」


と、受けて立った聖女との間で、見えない火花が散ったようだ―。




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