第346話 クライマックス・起
およそ2万の神どもを倒しきり、改めてレベルアップした俺ら[召喚組]が、玉座へと進んで行く。
威風堂々と歩く俺たちの正面では、[天地晦冥の主]が、椅子に肘を掛け、右手の甲に顎を乗せ、足を組み、黙視していた。
ある程度の距離で足を止めた俺らを、
「これが真に最後の機会だ。」
「世界の半分を与えてやる故、余に跪け。」
[ラスボス]が勧誘してくる。
(どっかで聞いたことのあるセリフだな。)
そう思いつつ、
「冗談じゃねぇ…。」
「全部、俺のもんだ!!」
このように返した。
片眉が〝ピクッ〟と反応した[天地晦冥の主]が、
「ほぉう。」
「威勢がよいな。」
無表情で述べる。
「はんッ!」
「じゃなきゃ、わざわざ乗り込んだりしねぇよ。」
「テメェらを倒すためにな!!」
俺が啖呵を切ったところ、
「……、ふむ。」
「それは言えておる。」
一応に納得した[ラスボス]が、椅子の左脇に置いていた“ロングソード”を手に取って、悠々と立ち上がり、
「では、殺し合うとするか。」
「ま、死ぬのは己らだがな。」
そのように告げてきた。
ちなみに、身長は12Mあたりだろう。
武器と防具は“アダマンタイト製”みたいで、どちらも、黒色を基調とし、金の装飾が施されている。
肩当てに付属している“マント”は、白い。
何はともあれ。
約400人の[召喚組]が構えだすなか、俺は【可視化】を使う。
すると…。
[天地晦冥の主]のレベルは“560”で、全ステータスが[最終形態]の俺の四倍であった。
しかも、“騎士・剣士・戦士・武闘家・アサシン”の【スキル】と、攻撃と回復の【魔法】を、備えている。
(マジかよ??)
(勝てんのか? これ??)
(……、イキって失敗したかも?)
なんだか頭が痛くなってきたところで、
「まずは、消耗しておる己らに、回復する時間を与えてやろう。」
こう提案してくる[ラスボス]だった。
「んあ??」
「いいのか?」
少なからず驚く俺に対して、
「構わん。」
「万全の己らを倒してこそ、余の強さを示せるというものよ。」
「そのほうが、神に仇なす賊どもの心を折り、屈服させやすくなるであろうからな。」
[天地晦冥の主]が不敵な笑みを浮かべたのである。
「じゃあ、遠慮なくそうしたうえで…、必ず後悔させてやんよッ!!」
息巻いた俺は、左斜め後ろの[生徒会長]に視線を送った。
意図を理解してくれたらしい[勇者]が、頷いた流れで、約400名の[地球人]の足元に“巨大な魔法陣”を一つ出現させた。
その[生徒会長]が、
「オールヒール・エブリワン。」
こう唱えたら、魔法陣から“青白い光”が上に向かって〝パァ――ッ〟と発せられたのである。
それによって、HPが全快する俺らであった。
これは、中級神どもとのバトルで“LV.95”に達したときに得たのだそうだ。
なお、現在の[勇者]は“レベル102”らしい。
話しを戻して……。
「あとは各自でマジックポイントを。」
そのように指示した俺を筆頭に、誰もが“アイテムBOX”より[MP回復デラックスポーション]を飲んでいく。
こうしている間にも、俺たちの背後や宙では、戦闘が繰り広げられている。
気づけば、今にも雨が降りそうな空模様だった―。




