第337話 最後の戦い・其之弐
“南の総大将”たる[パズズ]が、息を吸い込んでいく。
〝何かくる〟と察したロードらが身構えるなか、[蜂の女王]があるスキルを使う。
そのタイミングで、総大将が【咆哮】を発した。
連合軍の多くが、しゃがんだり、尻餅を着いて、恐怖に震える。
こうした状況で、パズズの後頭部を、[クイーンビー]が“短剣”で突きに掛かった。
しかし、
「むッ?!」
気配を感じ取ったらしい総大将に、躱されてしまう。
勢い余って通過していく[インセクトロード]を、パズズが右手で掴もうとする。
後ろを振り返っていた[蜂の女王]は、全身を捩じるようにして回避した。
そんな[クイーンビー]が、総大将から少し離れた宙で停止する。
どうやら、[インセクトロード]は、先ほど、アサシンの【残影】を扱ったらしい。
なお、【咆哮】は、前方にいる者らには効果があるものの、後方は範囲外である。
とかく。
パズズと[蜂の女王]が隙を窺い合うなか、あちらこちらのクレリックたちが、【ディスオーダー・リカバリー】を用いてゆく。
立とうとする[キャットロード]などを、総大将が回転するのと同時に“蠍の尾”で払う。
態勢が整っていないところを直撃されてしまい、
「ぐあッ!!」
弾かれた王と女王に国主が、横倒れになる。
こうした状況で、パズズが鞘から“ハンティング・ソード”を抜いた。
剣身には何やら模様が施されているみたいだ。
キャットロードのほうに左足を踏み込んだ総大将が、右手の剣を振り上げる。
おそらく【縦断】を使おうとしたのだろう、「じゅ」と言いだしたパズズに、
「挑発!」
空中の[クイーンビー]が少しだけ早くスキルを扱った。
それによって、総大将は[インセクトロード]へと狙いを変える。
武器を払ったり突いたりするパズズではあるが、全てが大振りなため、[蜂の女王]は〝ヒラリ ヒラリ〟と余裕で躱していく。
この間に改めて起きたキャットロード達は、それぞれに“HP回復デラックスポーション”を飲んで治癒を完了させた。
余談になるかもしれないが、獅子王/蛇の女王/森人族の長は、鎧や盾に罅が入っている。
さて…。
ふと正気に戻ったらしく動きを一旦ストップした総大将の、右膝の外側に“ホワイト色とオレンジ色が混じったかのような矢”が当たるなり〝ボオォンッ!!〟と爆発した。
[エルフの国主]による【伝導】で、パズズが若干バランスを崩す。
そこを、間合いに入った[バジリスク]が、“伸び”をするかのようにして、[森人族の長] によって亀裂が生じていた中心地に、
「一点集中!」
“ロングソード”をヒットさせる。
この部分を砕かれた総大将は、
「うッ!!」
眉間にシワを寄せながら、ぐらつく。
踏み止まったパズズへと[キャットロード]が猛ダッシュした。
そうして、割と高くジャンプした[獅子王]が、口から【ビーム】を放射する。
負傷している箇所に“追加のダメージ”をくらった総大将は、膝から崩れ落ちそうになるも、咄嗟に逆さにした剣を〝杖代わり〟にしてこらえた。
好機と捉えた[各ロードと国主]が、一斉に何かしらの【スキル】を用いようとする。
だが。
パズズに再び〝ウオオォォ――ッ!!!!〟と【咆哮】を使われてしまうのであった―。




