第335話 最後の戦い・其之零
三日目の朝だった。
200万柱を超える神どもが見えてきたのは。
どうやら待ち構えていたらしく、陸地で隊列を組んでいた。
それなりに離れた位置で進軍を止めた俺は、【可視化】を用いる。
これによると、下級・中級・上級の神々がチラホラ見受けられた。
おそらく、先の戦いで退却した者らが合流したのだろう。
そんな敵軍の殆どは、[特級神]である。
コイツラの多くが、身長9Mで、LV.201~230となっていた。
背丈9.5Mの“司令官クラス”は、レベルが240だ。
一体だけ、LV.250がいるのだが、上半身は“人間の男性”で、下半身は“蛇”である。
長さは40Mありそうだ。
「あれは……。」
「“ナーガラージャ”か?」
ふと呟いたのは、[ガルーダ]であった。
ちなみに、特級神たちは“ミスリル製”の武器と防具を装備している。
蛇神は[総大将]に違いないだろうと思ったのだが…、敵どもの最後尾に“別の一柱”が控えていた。
空中の俺が【ズーム】を使ってみたところ、金で造られているらしい“豪華な玉座”に腰かけている。
野外だというのに……。
わざわざ運んできたんだろうか??
何はともあれ。
悠々と座っている男神は、“ダ○の大冒険”に登場する[大魔王○ーン]を彷彿とさせる老体だ。
決して、そっくりではない。
繰り返し強調しておくが〝なんとなく似ている〟って感じだった。
実際、“第三の目”は無いみたいだし…。
あと、【騎士】みたいな“黒い甲冑”を纏っている。
“アダマンタイト製”みたいだ。
肩当てには“白いマント”が付属していた。
ソイツが合図を送ったらしく、むこうの軍勢が、真ん中から左右に分かれる。
こっちの地上班にも存在を知らしめたいんだろう。
そうして、
「余は“天地晦冥の主”である。」
重厚な声を、静かに響き渡らせた……。
南方でも、下級/中級/上級/特級の邪神らと遭遇している。
この総大将は、“獅子の頭と腕/鷲の脚/背中に四枚の翼/蠍の尾”を有していた。
鎧兜はミスリルだ。
そうした“身長10Mの男神”が、
「我は、三将軍が一柱、“パズズ”なり。」
と名乗った。
地球の“バビロニア神話”では、[熱風の悪霊であり魔人]とされている。
また、メソポタミアにおいては[風の魔王]とされてきた…。
西の総大将が、
「ロキ。」
「三将軍だ。」
簡略的に告げる。
地球の“北欧神話”では[悪戯好きの神]だ。
名は[閉ざす者]や[終わらす者]を意味する。
更には、善と悪・破壊と生産・賢者と愚者など、二面性を持ち、秩序を破って物語を展開する[トリックスター]ともされてきた。
なお、女性に変身するのも可能らしい。
ただし、こっちの“ロキ”は、金色の顎髭を貯えた“40代後半ぐらいの男性”である……。
北の総大将は、“ミスリル製の仮面”も装着しているので、顔立ちは不明だ。
その男神は、
「三将軍が一柱、“オーディン”である。」
こう伝えてきた。
地球における北欧神話では“主神”となっており、[戦争]と[死]を司る。
一方で、知識に対して非常に貪欲らしい。
名は、語源的に[狂気]と[激怒]を意味するのだそうだ…。
かくして、最終決戦を迎える[連合軍]であった―。




