第334話 終幕へのカウントダウン
上級神であるイフリートは、なかなかにしぶとかった。
治癒や攻撃の【魔法】に、さまざまな【スキル】を駆使して、勇猛に戦ったのである。
魔人・エルフ・ドワーフ達は、武器や防具がボロボロになったり、怪我を負いながらも、どうにかイフリートを追い詰めていった。
そうして、[魔人ロード]の一振りで、勝負が決したのである…。
今回は、およそ三十万柱の神々を討ち損じてしまった。
俺たちのほうは、約3万が亡くなっている。
これまでどおり、手分けして、味方の遺体を氷らせてゆく。
俺は、五つの魔法陣を用いて、行なっていた。
その近くでは、ウィッチが魔法陣を二つ展開している。
「お前、成長が著しいな。」
なんとなく声をかけた俺に、
「フッフッフッフゥ~。」
「ツイニィ、バレテ、シマイ、マシタネェ。」
「ワタシガァ、テンサイデアル、ト、イウコトガッ!」
[三年の留学生]が胸を反らして威張った。
「……、なんかムカつくから、お前も氷漬けにしちまおうか?」
俺が手を向けたところ、
「ズニノッテェ、スミマセン、デシタァ。」
素直に頭を下げた[魔女]である…。
俺達は、再び沿岸に戻ってきていた。
【念話】によれば、南/西/北の連合軍も、東チームと同じような状況らしい。
ここらで、一旦、破損している装備品やゴーレムを、ドワーフたちが修理してくれることになった。
ま、アダマンタイトにミスリルの武器&防具やゴーレムは、かすり傷ひとつ入っていないが。
なお、南と北のグループにはドワーフが居ないので、中立国が届けてくれた新しい装備品を使っていくようだ。
なにはともあれ。
全ての作業が終わるまでの数日間、待機する事になったのである。
俺などは暇を持て余してしまい、飛行艇の室内で、種族を問わず主だった女性陣と、代わる代わる“お籠り”したのだった。
結果、逆に休まる暇がなくなってしまったのだ。
不覚にも……。
半月ほどが経ち、上級神とバトルになった場所へと【瞬間転移】している。
足並みを揃えるため、他の三方も、同じタイミングで【テレポート】してもらった。
そこから、改めて、東西南北より“大陸の中心地”を目指したのだ…。
更に二週間ぐらいが過ぎた頃であった。
空中で、
「やはり、こちらに向かって来ておるようだな。」
ふと口を開いた[海の王]である。
リヴァイアサンに続き、
「うむ。」
「しかもだ、大魔王よ。」
「200万数を超える気配が感じられるぞ。」
こう述べたのは、[バードロード]だ。
「は??」
「上級神より強ぇ連中が、そんだけ存在してるって事か?」
思わず目を丸くした俺に、
「分からん。」
「が。」
「このまま進めば、三日以内には相まみえそうだ。」
「皆に報せ、心構えさせておくが良いであろう。」
[水の王]が告げる。
「ああ、そうだな。」
理解を示した俺は、その流れで【伝言】を発動するのだった―。




