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異世界を服従して征く俺の物語!!  作者: ネコのうた
― 第四期・大陸を越えて ―
189/350

第189話 ロード達の攻防戦・其之壱

[猿の王]が、


「挑発!」


と、スキルを使うも、[スライム女王]は微動だにしない。


「やはり…、〝スライムは感情を持ち合わせていないから、挑発が効かない〟というのは本当だったか。」


どうやら、モンキーロードは試してみたかっただけのようだ。


「ならば……。」


猿の王が、柄の長さ15㎝×刃渡り60㎝のソードを、右手で抜いていく。


モンキーロードは【アサシン】であるものの、背丈が3Mなので、通常の“ダガー(短剣)”では小さすぎるのだろう。


なにはともあれ、


「行くぞ!」


猿の王が走り出す。


スライムクイーンに近づくなり、モンキーロードが剣を左から右へと払った。


上体を反らして避けようとしたスライム女王ではあったが、躱しきれず、胸元を斬られてしまう。


スライムロードが転びそうになりながらも、相手の顔めがけて、右の蹴りを放つ。


しかし、実態がなかった。


背後に気配を察したスライムクイーンが、左の裏拳を、お見舞いする。


だが、これもまた、意味をなさなかった。


スライムロードの右側に現れた猿の王が、


「どちらも“残影”だ。」


ソードを右から左へと振るう。


スライム女王は脇腹を狙われたものの、〝しゅるんッ!!〟と球体(・・)になって逃れた。


ある程度の距離を取ったところで、スライムクイーンが“人型”に戻る。


まるで、[リ○ル=テン○スト]のように。


ちなみに、胸の傷口は塞がっているみたいだ。


モンキーロードが、


「なかなか、やるな。」

「とは言え…、これ(・・)には対応しきれんだろう。」


不敵な笑みを浮かべた。


警戒したスライム女王が、武闘家のように構える。


暫しの沈黙が流れ……、


「疾風の一打!!」


モンキーロードが〝ドンッ!〟と地を蹴った。


それは、LV.100になった【アサシン】だけが収得できる“スキル”だ。


1日4回の制限があり、1回につき100のMPを消費する、この能力は、“素早さを5倍にしての打撃”というものである。


いずれにしろ、かなりのスピードに反応できなかったスライムロードが、左胸を、


ズンッ!


と刺され、


バァンッ!!


無数に弾けた。


地面に落ちた幾つもの残骸を見て勝ち誇った猿の王が、周囲を確認し、


「他の連中は未だ決着がついていないみたいだな。」


と、呟いて、


「ならば、先んじて、あの魔人を倒すとしよう。」


上空で待機している[東の覇王]に視線を移す。



「そこの魔人!」

「お前が総大将であろう!!」

「降りてこい!」

「すぐにでも殺してやるからッ!!」


威勢よく吼えるモンキーロードに気付いた俺は、


「あん?!」

「いいのか? 余所見(よそみ)してて。」

まだ終わってない(・・・・・・・・)みてぇだが。」


わざわざ警告してやった。


「なにを」


俺のことを睨み付けようとした猿の王が、足元の違和感に〝ハッ!〟とする。


バラバラになっていたスライムクイーンが一ヵ所に集まって、再び球体となり、


ブワッ!!


大風呂敷のように広がりつつ、モンキーロードを包んでいった―。




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