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異世界を服従して征く俺の物語!!  作者: ネコのうた
― 第四期・大陸を越えて ―
178/350

第178話 過去と現在と・破

「千年前に、この世界に召喚した連中は、日本人か?」


俺が聞いてみたところ、


「ニッポン??」

「いや、ヨーロッパとかいう大陸の、ナンチャラという国の者たちであった。」

「遠い昔のことじゃから、詳しくは忘れてしもうたが……。」


と、魔霊が返した。


「あの…、あなたは、その時代に、今のような姿になったのですか?」


生徒会長の質問に、


「うむ。」

「完璧なキマイラを創造するためのアーティファクトはないものかと、それを探し求め、弟子たちの中でも戦闘に慣れた四人を連れて、“大帝()”を離れた翌日に、あの事件が起きてのぉ……。」

「都を瞬く間に“黒き炎の海”と化したブラックドラゴンのキマイラは、周辺地域も蹂躙していきおった。」

「あれは、まさに、“厄災”であったわ。」

「いや…、判断を誤った儂にも責任はある。」

「あのキマイラが、あそこまで強くなるとは予測できんかったのじゃから……。」

「いずれにせよ、事態を重く見た儂は、適当な洞窟に避難しつつ、弟子らと共に〝不老不死になれる〟と言われておった魔法を発動したのじゃ。」

「なにせ、勇者たちも全滅したものとばかり思い込んでおったからのぉ。」

「不死身になれば、時間が掛かったとしても、儂らで魔王を倒せるかもしれんし…、不可能だった場合は、絶大な攻撃魔法を編み出す研究に労力を費やそうと、考えたのじゃよ。」

「ま、結局は“リッチ”になってしもうたがな……。」

「儂が、いかに“天才”と呼ばれていたとはゆえ、禁忌(・・)ばかりは制御しきれんかったわい。」


アンデッドソーサラーが語ったのである。


「4人のお弟子さんは??」


二年生書記が窺ったら、


「う…む。」

「跡形もなく消滅してしもうたよ。」

「戦いを挑んだ結果、旧魔王による“ビーム式のドラゴンブレス”によって……。」


寂しそうにしたのだった。


骸骨なので表情までは読み取れなかったが…。


「どうにか逃れた儂は、スカルドラゴンによって“(しかばね)の国”となってしまったこの地に辿り着いた。」

「それ以来、魔法や魔道具の実験に没頭してきたというわけじゃ。」


リッチが締め括ったのである。


「ところで……、“義眼の魔人”は今どこに?」

「城にでも籠っているのか??」


問い掛けたのは、魔人姉妹の父親だ。


[魔人の国]において“右将軍”の彼は【騎士】である。


「ん?」

「ああ…、あの者なら、もう既に、この国にはおらんぞ。」

「“現代の魔王”の元に行っておる。」


この発言に、


「魔王だと!?」


俺が目を丸くして、全員がザワつく。


「あ奴は、ここ10年、儂の所でマジックアイテムに関して学び、“暗黒騎士”の誕生を見届けてから、去っていきおったわ。」


リッチが補足した。


「“常闇(とこよみ)(つるぎ)”と“黄泉(よみ)の甲冑”を盗んだのは何故だ??」


人狼たる王が訊ねたところ、


「“義眼の魔人”に提案されて、試してみたくなったんじゃよ、ダークナイトの製造が成功するか否かを。」

「“あくなき探求心”というやつじゃな、単純に。」

「まぁ、魔術に携わる者の(さが)であろうのぉ……。」


と、述べたのである―。




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