第155話 反連合軍・其之肆
俺とグーマ軍の1㎞ぐらい先の場所に、ヤーナ&ズーカの連合およそ1500万が布陣している。
グーマの女王が、
「如何なされます?」
と窺ってきた。
「そうだな…。」
「服従後に退却させれば簡単に済むが、その前に恐怖を植え付けておくとするか。」
「幸い、蘇らせることが可能だしな。」
「……、よし、俺一人で、ちょっと挨拶に行ってくるから、ここで待ってろ。」
背中からドラゴンの翼を出現させた俺は、7~8M浮上して、そのまま敵軍めがけて飛んでいったのである。
「むッ?! 魔物か??」
「そこで止まれ!」
「ひょっとして和睦の使者か?」
「だったら、下りてきて、土下座で命乞いしろ!」
「まぁ、それでも助けてやんねぇけどな!」
〝ふはははははッ!!〟と馬鹿笑いする連中の足元に魔法陣を構築して、100万人程を爆破した。
更に、間髪入れず、左方の100万を落雷で、右方の100万を火炎で、灰塵と化し、後方の100万は地面を隆起させて粉砕したのである。
ちなみに、[大地の槍]は用いていない。
今までに見た事がない規模の攻撃だったのだろう、唖然とした全ての敵兵が〝は!〟と我に返り、
「うわああああ――ッ!!」
と、絶叫しながらダッシュで逃げ始める。
そこに、【絶対服従】を発動する俺だった…。
[牛の王国]の国境付近には、ミノタウロス元帥を筆頭にトーキーの魔物たち約2000体が訪れていた。
この王国も、短い期間では、50万ほどを動員するのが、やっとだったようだ。
女王である“ホルスタウロス”の姿も見受けられた。
三将軍の面子は新しくなっている。
大将軍はオスで半獣のミノタウロス、中将軍がオスのモスマン(蛾)、小将軍はメスのワーシープ(羊)だ。
この軍の4割はミノタウロスで、それ以外は様々なモンスターや半獣である。
対するギーフー&チーアの軍勢は約1600万みたいだ。
ミノタウロス軍の先頭に立つ元帥に、左斜め後ろのジャイアントアント参謀役が、
「なかなかの数ですね。」
と声を掛けた。
「ふん! あれしき造作もないことよ。」
〝ニヤリ〟と笑みを浮かべるミノタウロス元帥の、右斜め後ろに居るトロールが、
「動いたようだ。」
と、呟く。
奴らは、ギーフー軍とチーア軍に分かれて、それぞれ列になって突撃して来る。
両軍ともに“長蛇の陣”のようだ。
「どちらが先に我々を倒すか競っているみたいですね。」
参謀役が、そう推測した。
「ギリギリまで引き付ける故に、まだ、誰も動くなよ。」
元帥が告げる。
ギーフーとチーアが30Mくらいの距離まで迫ったところで、ミノタウロス元帥が、
ウォオオオオ――ッ!!!!
と【咆哮】を放った。
これによって、敵軍の半数近くが、尻餅を着いたり、転倒していく。
「今ぞ!」
「蹂躙しろぉッ!!」
との元帥の号令に、味方が突撃していくのであった―。