第131話 ガルーダ
椅子に座った“グルル・ヤクシャ”の足枷を、トーキーの賢者&魔人姉妹が、しゃがんでチェックしていく。
「……ふぅむ。」
「これは、大昔の文字のようじゃな。」
との見解を示すトーキーの賢者に、魔人の姉が、
「ええ、間違いなさそうです。」
と、同意し、妹が、
「やはり、古代魔法を用いていましたか…。」
と呟いた。
「どうだ?」
「上手くいきそうか??」
と、訊ねた俺に、
「少々おまちください。」
「…………、うむ。」
「そんなに難しい術式ではないので、大丈夫でしょう。」
と賢者が返したのである。
そこからは、賢者の指示で、文字の一つ一つに、姉妹が人差し指から魔力を注いでいった。
あたかも、刑事モノの映画やドラマで描かれるような、時限爆弾の導火線を、青、白、黄、緑、と、ランダムで処理していくかのように。
魔人姉妹が、文字によって、火・水・氷・風・雷・大地・爆発の魔法を注入した結果、足枷が〝ピカァー〟と光って、4つぐらいに〝バキィンッ!〟と割れた。
次の瞬間、バードロードの全身が輝いたのである。
目を開けていられないほどに。
その眩さが収まった“グルル・ヤクシャ”が変貌していた。
髪や、眉に、瞳と、翼が、金赤色となり、皮膚は健康的な肌色になっている。
袈裟も、まさにチベット仏教を彷彿とさせる赤色&黄色に変わっていた。
これに、バード国の幹部たちが
「おお―ッ!」
と、感動する。
“ガルーダ”が、
「世話になったな。」
「トーキーの魔人よ、君たちに礼をしたい。」
「宴を開くとしよう!」
と満面の笑みを浮かべた。
さて、ここで一度それぞれのレベルを確認しておこう。
一年生書記はLV.42で、二年生書記がLV.49の、三年留学生はLV.40である。
一年生の武術士がLV.43で、二年生の弓士はLV.44となった。
聖女(姫殿下)はLV.56の、勇者(生徒会長)がLV.61だ。
トーキーのメンバーは、小将軍がLV.60で、中将軍はLV.64の、大将軍がLV.73である。
トロールはLV.75で、ミノタウロス元帥がLV.83となった。
ジャイアントアント参謀役がLV.61の、魔法剣士はLV.98だ。
ちなみに、ハーピーのリーダー格はLV.55で、ヘルハウンドのリーダー格がLV.58である。
他の面子も当然ながらレベルアップしていた。
2つ~4つくらい。
俺は…、
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【種族】:魔人
【ジョブ】:不明
【タイプ】:進化系
【レベル】:120
【HP】:2400
【MP】:1200
【基本攻撃力】:960
【基本防御力】:720
【基本素早さ】:480
【攻撃魔法】:炎/水/氷/風/地/雷/爆発/猛毒
※現時点での消費MPはどれも1~1200
【回復魔法】:なし
【補助魔法】:なし
【特殊魔法】:????
【基本スキル】:可視化/ズーム(視力と聴力が10倍になる)/伝言/念話/チャーム
※チャーム以外の消費MPはどれも3
※チャームの消費MPは1~1200
【ユニークスキル】:飛行/咆哮(自分より弱い者たちを30分間行動不能にできる)
※飛行の消費MPは0
※現時点での咆哮の消費MPは1~1200
【レアスキル】:全ての武器を装備できる
【激レアスキル】:絶対服従
(人族と魔族を一生涯支配できるが、自分と同等以上のレベルの者は服従不可)
※現時点での消費MP1~1200
【超激レアスキル】:????/????
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というのが現状だった。
どうやら、魔法とスキルの消費MPが、やや幅広くなったみたいだ。
AM11:30前後に宴会が始まった。
王都中を巻き込んで、盛大に―。