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異世界を服従して征く俺の物語!!  作者: ネコのうた
― 第三期・この世界の歴史と未来 ―
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第125話 バードロードにとっての不測の事態

俺たちは、今、アラクネの糸やアサシンの縄で拘束した敵の幹部らを一ヶ所に集めて、全員で包囲している。


南方領主であるトロールは、エルフ国の補佐官よる【抑制】の効果が切れたので、自由になってはいるが、他のメンバーが人質というか、魔物質(?)になっているので静かに胡坐(あぐら)座りしていた。


意識が戻った面子に、泉を狙っていた理由を尋ねてみるも、総大将であるグリフォンが、


「……フンッ!」

「誰が言うものか。」


と、そっぽを向く。


西方領主のレッドキャップが、


「大将軍閣下…、彼らは大丈夫な気がする。」

「あくまで勘だけど。」


と口を開き、中将軍であるサンダーバードが、


「確かに、あの魔人(・・・・)とは違って、信用できると思います。」


と、続いた。


それでも、半獣のグリフォンは、


「いや、魔人は腹の底で何を企んでいるか分からん。」

「なので、警戒するに越したことはない。」


と意見を受け入れようとしない。


ちなみに、森人族の長がもともと見た未来では、小将軍のコカトリス・東方領主のペリュトン・北方領主のハーピーが300万ほどの軍勢で攻めてきたのを撃退した後に、俺たちはトーキー国へと帰還したらしい。


だが、ここまでくるとバード国に何が起きたのか知りたかったのと、進化系グリフォンの強情さにイラッときたのとで、【チャーム】を用いた俺は、テント(ゲル)に連れ込んだのである。


カラダに教え込んだ結果、半グリフォンは、俺のことを“(すぐ)れし御方”と呼ぶようになったのであった…。



野外にて――。


(みな)が集まっているなか、バード国の幹部たちが経緯(いきさつ)を説明していく。


まず、その国の王は“ガルーダ”なのだそうだ。


一年生書記や三年生ウィッチによれば、俺たちの世界では、ガルダやガルラと呼ばれ、仏教では迦楼羅(かるら)もしくは金翅鳥(こんじちょう)として有名らしい。


いずれにせよ、ガルーダは、インド神話に登場する炎のように光り輝き熱を発する“神鳥”との事だ。


また、ヴィシュヌから不老不死を与えられているらしい。


しかし、こちらの世界でのガルーダは、神鳥ではなく“鳥の王”であり、不死でもない、そうだ。


ただ、[不老長寿]を有しており、その寿命は、竜族の上位種に等しい3000年程とのことだった。


ちなみに、ドラゴンたちの中位は2000年で、下位は1000年ぐらい、生きるらしい。


また、これも俺らの世界においてだが…、インド&ヒンドゥー教と政治的かつ宗教的に対立していたスリランカでは、ガルーダは悪鬼もしくは凶鳥の“グルル・ヤクシャ”とされているとのことである。


[女○転生シリーズ]や[ペ○ソナシリーズ]の“グルル”が、それ(・・)に該当するらしいのだが俺はプレイした経験がないので、詳しくは知らない。


で、だ。


およそ三カ月前、現バードロードであるガルーダの所に、とある魔人が訪ねてきて、一つのアイテムを授けたのだと…。


足首に填めるリングというか、(かせ)みたいな代物で、魔法の文字が刻まれているらしい。


なんでも、着ければ、寿命を縮めてしまうが、その代わりに全ステータスが3倍になるというグッズだそうだ。


興味を示した鳥の王が右足に装備してみたところ、瞬く間に、金赤のガルーダから黒紫のグルルに容姿が変わってしまったとの事だった。


そのアイテムを渡した魔人は、


「ふむ…、どうやら失敗のようじゃ。」

「お前さんのステータスは何一つ変化しておらんみたいだからの。」

「ついでに言っておくと、寿命は持って1年といったところじゃな。」

「いや、すまん、すまん、上手(うま)くいくと思ったんじゃがのぉ。」


と述べて、〝カラカラ〟と乾いた笑い声をあげながら【瞬間転移】で何処(どこ)かに去ったらしい。


俺の、


「なんで、ロードは装着してしまったんだ?」

「その魔人と面識があって、断れない間柄だったとか?」


との質問に、中将軍のサンダーバードが、


「いや…、我らが王は、日頃から悩んでおられた。」

「やがて世界を支配するであろう魔王に、早々と(くみ)するか、徹底抗戦すべきかを。」

「そんな時に、魔王を倒せるほどの力を得られそうなアイテムを贈られて、お試しになられたという訳だ。」


と、答えた。


つまり、信じて装備した結果、ドラ○エで例えるところの、


デロ デロ デロ デロ デェ~ロンッ♪


❛ガルーダは呪われてしまった!❜


みたいな感じになってしまったのだろう。


そんな想像をしていたら、大将軍のグリフォンが、


「絶対に許さんぞ!」

「あの“義眼の魔人(・・・・・)”めッ!」


と忌々しそうにする。


それに〝ピクッ〟と反応したのは、こっちの魔人姉妹だった―。




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