第114話 顔ぶれ
“グリフォンの進化系”だというモンスターは、レベルが141であった。
身長は2.5Mくらいだろう。
ブラウンの髪を腰あたりまで伸ばしている。
翼と手は“鷲”で、下半身や尻尾は“獅子”だった。
【騎士】用で金の、顔出し兜/胴回り/腰回り/籠手/脛当てに、大剣を装備しており、なかなか凛々しいルックスの美女といった印象だ。
その左隣(俺達から向かって右隣)には、黄色と白色が入り混じったような羽毛で、2足歩行の鳥が居る。
背丈は1.8Mといったところだろう。
ライトグリーンで【剣士】用の武器と防具を装着しており、嘴が見受けられた。
どうやら、オスの“サンダーバード”で、LV.137らしい。
この左隣に居るのは、身長が1.5Mほどで、赤いトンガリ帽子と服装に、白くて軽そうな鎧などを着けているゴブリーナだ。
髪は帽子に入れ込んでいたので長さや色合いは分からなかったが、割と美少女である。
“鉄の爪”を備えていることから、【武闘家】だということが判明した。
レベルが125であるソイツに、
「ゴブリン族、だよな?」
と、俺が首を傾げたところ、右斜め後ろにいた一年の生徒会書記が、
「亜種の“レッドキャップ”だと思います。」
と述べたのである。
そのレッドキャップの左には、LV.124でオスの“青い翼が生えている鹿”が居た。
一年生書記の右隣にいる三年生ウィッチが、
「アレハ、“ペリュトン”デショウカ?」
との疑問を呈す。
これに、一年の生徒会書記が、
「おそらく。」
と、頷いた。
彼女らによれば、俺たちの世界では、アトランティス大陸に生息していたとされる怪鳥で、その正体は人間の亡霊であり、物理攻撃が殆ど効かないらしい。
グリフォンの半獣の右には、鶏の頭部・竜の翼・蛇の尾・黄色い羽毛といったレベルが132でオスの魔物が佇んでいた。
「あれは…、“鳥”でいいのか?」
と訊ねた俺に、これまた一年生書記が、
「コカトリス。」
「〝雄鶏が産み落とした卵をヒキガエルが温めることで誕生する〟そうでして…、猛毒もしくは石化の能力があるみたいです。」
と、教えてくれたので、
「んー、まぁ、鳥類ってことだな。」
と一応に納得したのである。
その右隣は、【戦士】用で紺色の鎧兜を装備しているオスのトロールだ。
背丈は6M程で、レベルは128であり、青黒い髪を肩あたりまで伸ばしている。
武器は、柄が1Mで、幅50㎝×長さ3Mの、中華包丁みたいなソードであった。
コイツの右に居たのは、身長が1.6Mぐらいでメスのハーピーだ。
LV.121で、ピンク色の甲冑を着けていたが、軽装である。
背中あたりまでの髪は赤茶色のようだ。
割と綺麗な顔立ちをしている。
ちなみに、ペリュトンと、コカトリスに、ハーピーの、ジョブは、不明であった。
俺が、
「しっかし、相変わらず何でも知ってんなぁ、お前は。」
と、一年の生徒会書記に改めて感心していたら、
「何でもは知りませんよ、〝知っていることだけ〟ですよ。」
と返してきたのである。
(この流れは、確か…。)
と、回想していたところ、
「私の推しは、八九寺」
と続けたので、
「いや、時を越えた“テンドン”になっているから、それはもう、いい。」
と、止める俺であった―。