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異世界を服従して征く俺の物語!!  作者: ネコのうた
― 第三期・この世界の歴史と未来 ―
111/350

第111話 アーティファクトに関して

多くの者たちが宴の二日酔いで頭痛に襲われているAM09:00頃。


オーク族の女王らとの別れの挨拶を済ませた俺達は、エルフ国の西端に在る砦へと【瞬間転移】したのである。


その北門には、森人族の長や、国主補佐官に、砦の指揮官(男性)と副官(女性)であるエルフが、待っていたのだ。


「お戻り戴き、ありがとうございます。限りなき御方(おかた)。」


と会釈した国主に、まだ残っている酒で気持ちが悪い俺は、


「ああ。」

「……すまないが、小休止させてくんねぇか?」


と、頼んだのだった。



取り敢えず、国境付近まで進んだ俺たちは、野営しながら風に当たりつつ、水を飲んだり、横になったりしている。


季節は夏だが、近くに川が流れているのと、この国には手つかずの自然が豊富なこともあって、割と涼しかった。


外に置かれた小さめのテーブル席に腰掛けている俺が、その対面に座った森人族の長に、


「鳥どもの軍勢は、いつ姿を現すんだ?」


と訊ねたところ、


「おおよそ14時ごろです。」

「なので…、それまでの間、限りなき御方が知りたいことを、なんでも、お教えしましょう。」


と、返してきたのだ。


俺は、


「ん? 例えば??」


と首を傾げたものの、すぐに、


「あ!」

「アーティファクトに、ゴーレムのダンジョン!!」


と、思い出した。


微笑みながら、


「どちらも、エルフの国主のみが代々受け継いでいる口伝(くでん)がございますので…、まずは、アーティファクトに関して、お話しましょう。」


と述べた彼女が、詳細を語ってくれたのである…。



精霊/竜族/妖精族/獣人族/人族と神々が共に地上で暮らしていたという、遥か昔。


自分たちの欲を満たそうと、突如、反乱を起こした4割の神々が、魔人にダークエルフや巨人を誕生させたり、動植物や昆虫に(しかばね)をモンスターに変化させたのだと云ふ(いう)


そこから約50年に亘って、この邪神たちと、6割の善神らが戦い続けたらしい。


当然、魔族と、精霊/竜族/妖精族/獣人族/人族も、激突したそうだ。


そして、この期間中に、善なる神々によって製造されたのが[アーティファクト]との事だった。


しかし、邪悪なる神々に奪われてしまった一部のアーティファクトには呪いが掛かってしまい、制限回数であったり、使用者のHPもしくはMPを吸収するという現象が、発動するようになったのだそうだ。


そんな争いのなかで、双方ともに、かなりの数が命を落とすも、結局、勝負がつかず、疲弊しきった善神たちは、邪神の殆どを封じ込めたらしい。


更には、(わず)かに残った邪悪なる神々が掃討されてしまい、不利となった魔族が降伏し、平和が訪れたので、安心した善なる神々は旅立ったのだそうだ。


宇宙の至る所に、新しい世界を幾つも創造すべく…。



「善神たちは、邪神らが拠点としていた“中央の大陸”に結界を張り、〝念の為、海底に沈めた〟と、聞き及んでいます。」


と、森人族の長が締め括る。


「大陸そのものをか?!」


と驚いた俺に、


「ええ。」


と、国主が静かに頷く。


「……、〝それが解かれて、邪悪なる神々が放たれる〟みたいなことは、ないよな?」


と彼女に質問してみたら、


「その未来は今のところ見ていませんが…、これから先どうなっていくかは分かりません。」


と、答えたのである。


「“封印が破られてしまう危険性はある”わけか…。」


と呟いた俺は、何だか、より一層に頭が痛くなってしまったのだった―。


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