2/46
臙脂色(えんじいろ)
臙脂色は、暗い紅です。
臙脂の起源はとても古く、中国が燕の国だった頃までさかのぼります。読み方は一緒ですが、漢字は燕支、烟子など様々にあります。
日本には5世紀頃に渡来。当時は呉の国だったため、呉藍と呼ばれていました。それが後に転じて、紅となりました。
臙脂には植物性と動物性があり、前者は紅花などで作られたもので、正臙脂と言われます。後者はコチニールカイガラムシなどの虫の分泌液から作られたもので、生臙脂と言い区別されました。どちらも濃い紅色ですが、生臙脂の色は紫みを帯び濃厚でした。
江戸時代には染料などでの名前であったものの、実際に色名として一般化するのは、化学染料が広まった明治時代以降とのこと。
英名では、コチニールレッドが近いと思いました。
中南米のサボテンに寄生するコチニールカイガラムシから抽出され、染料にも顔料にも使われました。