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国王陛下育児中につき、騎士は絶望の淵に立たされた。  作者: 笹色 恵
~公国の秘密~

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ローヴィニエの秘密 2

 大きな教会だった。ジェーム帝国にあった大教会とまではいわないが、誰が来るとも知れないようなこんな傍に作るには似合わない。

「……お前たちは外で待機していなさい」

 ダイア・アカバが兵に命じる。帝国よりもジェゼロの神域に入るに近い手法か。おそらくここにもオーパーツが使われている。三百年以上は経っているだろう教会の奥まで連れていかれる。ジェゼロを信仰するのは事実らしくジェゼロと同じ女神像が称えられた祭壇へ向かう。

「こんなところに神託が?」

「ええ。ここで少し待っていなさい」

 エラ様につけられた縄をクロトに渡すと祭壇の裏へダイアが一人向かった。少ししてずずっと重い石が動く音がする。女神像の真下にある石板が動き、人一人がやっと通れるような階段が現れた。

「すごい。本当にあったんだ」

 目を輝かせてクロトが言う。

「次はあなたの番よ。行きましょう」

 縄を受け取るとエラ様を先に歩かせダイア・アカバが後に続く。同じように先に歩かされる。螺旋階段になっている。どれほど降りたか。ジェゼロ城から泉までの高さより少し下がった程度か、ほどなくして空間にでる。それほど広くはない。明らかに旧文明のそれの技術が見られる扉があった。

 いつものエラ様ならば喜ぶところだが、今は冷たい瞳でそれを見ていた。

『認証番号を入力してください』

 機械の声がなる。それにクロトがびくりとし辺りを見回した。

「本当に魔法の部屋だ」

 子供のような男は赤く爛れた顔で扉の近くに向かった。こちらに背を向け文字盤に人差し指だけを使い文字を打ち込む。かちりと音が鳴り、ドアのロックが解除された。階段へ続く扉を開ける方法をアカバ家が、さらに下の扉の鍵はイセ家が引き継いでいるのだろう。そして、本来ならば次の鍵はバジー家が必要になる。もしもこの為ならばエラ様ではなくコモ・バジーかエユ・バジーを連れてくればいい。だがより困難なエラ様を選んだ。

 扉の向こうは更に広い空間だった。そこには映像を映す板が並んでいる。だが全てノイズだけが流れていた。

「どういうことっ」

 ダイア・アカバが悲鳴に近い声を上げた。


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