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国王陛下育児中につき、騎士は絶望の淵に立たされた。  作者: 笹色 恵
~公国の秘密~
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分岐点


 夢を見た。町が火の海になる。じっと我慢する。ママが少し焦げた服に振り乱した髪でこっちへ来た。私はどうしたらいいのと問われる。どうなるのと。自分の声がする。帝国の軍人さんに連れていかれて殺されると教えると頬をぶたれた。どうしてもっと早くに教えなかったのと。エラと言う人が死んだから。どこにも逃げられないと教える。なら、死なないようにどうしてしなかったのと罵られる。だってそんなの知らない。

 ママの言うことはちゃんと聞いていた。だけど、その結果まで私の所為なの?

 はっと目が覚めて、自分で選んだらいいんじゃないのと言われたことを思い出していた。

 どの夢でもあの子だけは怒鳴ったりしないし叩いたりしない。

「どうしたの?」

 部屋から出たらママが立っていた。

「怖い夢を見たなら、いつでも知らせてと言ったでしょ。大丈夫、私が傍にいますよ」

 しゃがんで頬をなでる手はかさついているけれど温かい。

 助けてくれたのはママだ。だけど、ママだけではみんな死んでしまう。ママでは変えられない。

「今日のおやつでお腹を壊すから食べないわ」

「そんなことを言って、嫌いなニンジンのケーキだからね」

 優しく言われる。ママは優しい。普通の時はいつも優しい。だけど、本当は違うって私知ってるのよ。



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