表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
国王陛下育児中につき、騎士は絶望の淵に立たされた。  作者: 笹色 恵
~公国の秘密~
73/144

不在


   十三



 リセはいつもと違う朝を迎えた。赤子の泣き声で目が覚めた。国王専属メイドの部屋でユマ様を一晩中見ていたのだ。

「いい子いい子。お腹が空いたの?」

 抱き寄せると甘い匂いと臭いにおいが混じる。おむつか。



 弓矢による襲撃後、エラ様は恐ろしく不機嫌だった。当たり前だ、またしてもご子息の命が危うかったのだ。議会院でもやはりローヴィニエが関係しているのではないかと話が出た。今日にもダイア・アカバに城まで来てもらうよう指示をしていたが長旅で倒れてしまい今日は無理だと伝えに行った兵が帰ってきた。兵が検問の宿場で寝込んでいる姿は確認してきている。

 エラ様を呼びに行くが扉には少し調べ物をすると紙が貼られていた。王の寝室には特別な許可がなければドアが開かない。

「やはりショックだったのでしょう」

 ハザキにため息交じりに言う。応接室の窓は鉄の板が張られ昼間だというのに薄暗い。

「ベンジャミンならばまだ資格があるかもしれん」

 ハザキが立ち上がる。

「そうね。仕方ないわ。エラ様には叱られるでしょうけど。オオガミにも神域の中にいないか見てもらいます」

 それに次いで立ち上がる。廊下に出るとちょうどリセ・ハンミーがいた。可愛そうに手には痛々しい包帯がまかれている。

「まだそちらのお部屋は使わない方がよろしいですか?」

「今安全策を講じているところだから、今日も泊まってもらうかもしれないわ。怪我をしたのにごめんなさいね」

「いえ」

 ベンジャミンの国王付き解任と言い、エラ様は不安定になられている。サウラも産後に珍しく弱音を吐いていた。そういうものなのかもしれないが、たとえ疎まれても、理由を問い、何か策を講じないといけなかった。


この章にはややグロい表現が出ます。苦手な方はお気を付けください。

歪んだ趣味に走っているので衝突事故にお気を付けください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ