ロミアの見解
街はほとんど混乱していない。元々王様が定期的に変わる国なのもあるだろう。ただ、前国王が処刑された事は少なからず異例の事態らしい。それでも普通に市は開かれて店も開いている。新しい王様は特に新しく国民に何か始めたわけではないので国民は静観している。前国王のダイア・アカバは特段に嫌わているわけでもないが好かれているわけでもなかったらしい。国民受けはバジー家が一番いいのは確かだが、国民の為に国の財源を枯渇させ、代わりに他の二公爵が苦労すると言うサイクルを何度か行っていたようだ。夢想家のバジーに守銭奴のアカバ、冷淡なイセと国民は冗談を言うがあながち間違っていないらしい。
「あら、ロミアさんと仲良しになったの?」
王座が変わったと言うのにエリザ・バジーは暢気に施設へやってきていた。
「久しぶりだね。なんだか他の公爵たちは忙しそうだけど、バジーは大丈夫なの? コモの子供とかが来るなら、危なくない?」
「あらあら、お恥ずかしい話をご存知なのね」
エリザが頬に手を当てて言う。
「大丈夫よ。直ぐに落ち着くわ」
カンラがエリザの手を握って言う。施設の玄関先でカンラが何かを待っていたから一緒に待っていた。そしたらエリザがきた。
「二人は特に仲良しだね」
「……ええ、この子は私が見つけたの。他の子も大切だけれど、ふふ、どうしても特別になってしまうわ」
カンラが来たのは五年位前だと聞いた。丁度彼女の夫が亡くなったころらしい。それもあって、とても可愛がっていると聞いている。
「ロミアさんは、この国をどう思いますか? 国外から見て」
エリザに問われて中々難しい質問だと困る。
「これまで他の家が王様になるのを我慢できるだけの理由が何なのか、気になるかな」
「まあ、中々賢いのね」
いつもの笑顔でエリザが笑う。彼女を呆けているとは思えないが、まともだとも思っていない。




