表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
国王陛下育児中につき、騎士は絶望の淵に立たされた。  作者: 笹色 恵
~女王の計略~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/144

女王陛下

   5



 朝の身支度を整え、部屋を出る。侍女たちが後ろに付き、護衛が周囲を常に警戒する。もう五年近く絶つか。それでもこれは慣れない。五年やそこらで慣れるような快感ではない。

 国の決まりがある。五年ごとに王が変わるのだ。正しくは五年ごとに三つの公爵家が順に王座に就く。つまり次にこの座につけるのは十年もあとになる。バジー家の衰退を思えば早ければ五年。それでも、あまりにも長い。

 書類仕事をするためだけの部屋へ入る。それですら絢爛な部屋だ。飾り棚には毎日磨かれる金と銀の器がある。窓ガラスは美しいステンドグラス。重厚な執務机は自分がローヴィニエの王になってから新調させたものだ。

「ジェゼロ国国王より文が届いております」

 報告の一番最初に渡される。それがどれだけ重要か執事は理解していると言う事だ。

 丁寧な字で書かれた文の最後にエラ・ジェゼロの署名が成されていた。

「傲慢なこと」

 内容はただの断りだ。過去のジェゼロ王に比べれば随分と良識的だ。だが、なんとしてもジェゼロ王にはここへ来てもらわなくては困る。

 今日の仕事は取りやめだ。

「少し出ます。馬車の用意を」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ