表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
国王陛下育児中につき、騎士は絶望の淵に立たされた。  作者: 笹色 恵
~国王の自戒~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

121/144

事件の終わり 前


 議会院に出席されたエラ様は、王の席に座する。

 トウマ・ジェゼロが国王代理の必要性がなくなったため、エラ・ジェゼロに権限の全てを返上した。トウマ・オオガミにあっさり戻る辺りが彼らしい。

 オオガミが変えた制度がいくつかある。国王付きの下にいくつかの直属の部下が付いた。エラ様の執務の手伝いと警備管理担当などだ。それらはオオガミの肝いりで選ばれたものだが変更は国王付きである自分とエラ様にも権限がある。

 後の大きな変更は大学の設立だろう。オーパーツと旧文明学に特化した学部を主とする。それに関してはトウマ・オオガミとして行う仕事になった。

 弟を連れて戻ってきたリセ・ハンミーは国王の傍仕え見習いに昇格した。エラ様の計らいで、しばらくは短時間の勤務で弟が学校に行く間だけだ。本来ならば城内に住むが城の近くに住めるように手配した。

 エラ様のご出産と、今回の一件で変化が生じた。トウマ様なりにエラ様の今後を考えた変革だ。

「今後は、できるだけこの席を開けぬように善処しよう」

「お怪我とご体調の回復に一先ず安堵しております。今後はご体調など無理がないように配慮いたします」

 エユ議会院長がエラ様の言葉にとても穏やかににこやかに返す。それ以上の小言を言わないが、次があっては困ると圧があるのを感じた。

 近づいた秋の祭りについての議題に移り、その後は平時と変わらないままに議会院の話し合いは終了した。いっそあっさりしすぎている。

 それまで特に発言がなかったトウマ様が退席せずに待っていた。エユとハザキは一度こちらを一瞥した後退席する。残ったのはエラ様とトウマ様、それに自分だけだ。残るべきか去るべきかトウマ様に視線を向けるが特に見返されることも指示もない。

「いくつか、耳に入れておくことがある」

 こちらを気にせずに口を開く。

「ダイア・アカバとクロト・イセは正式に処刑が行われた。エラ・ジェゼロへの行為に対して帝王が許さなかっただけでなく、多すぎる罪状があっての事だ。それと、エリザ・バジーは、ここまで出向いてきていた侯爵……フィルス侯爵に刺殺された。クロト・イセの最後の犠牲者が男の娘だったらしい」

「そうか」

 エラ様が静かに言う。三人が死刑になるだろうと言う見込みは島にいた時に聞かされていた。

「それと、リセ・ハンミーたちの結果だ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ