謹慎処分 4
「ユマは連れていくのか?」
「トウマ様が政務を行っているのでしたら、その間はリセに一時暇を与えてやれます。そのまま残ってもらうつもりでしたが、やはり家族の無事をその目で確認したいでしょう。エラ様とユマ様のお世話だけならば自分一人で足ります。物資だけ届けてくだされば」
この場で頼りになるのはハザキだけだと見やる。いつもの渋い顔がこちらを見た。
「……国の王たる方が、単身で異国に赴き、貴き命を危険にさらされた事実に、どれだけ慄いたか、ご理解いただけていない事は承知しました。完璧な王であることは望みません。ただ、ジェゼロと言う国を信用してくださらない王に国を任せられるとは思いませぬ。何よりも、今回の勝手な行動でどれだけの人間が心を痛めるほどに心配したのか、どれだけの悪行か理解していただく為の教育が必要であることは理解しております」
ここに味方はいないっ。
「悪かったと思っている。せめて手伝いはシスターとリセだけでいいだろう」
「罰に対して世話人を求める時点でご自身の勝手さを理解しておられませんな」
「ならばベンジャミンもいらぬだろう」
ハザキがベンジャミンに視線を投げる。
「不手際はありましたが、今回の事も功績として認めて頂けるのならば、しばしの暇を。その間、趣味に時間を費やしたいと考えております」
「エラ様のお命を救ったと聞いている。騎士として称号に違わぬ活躍だった。自身の怪我の静養も兼ねていることは忘れるな」
「はい」
知っている。ハザキがいつもベンジャミンを疎まし気に扱っているのはかばっているからだ。自分が制御しているから問題ないと。だが、息子が欲しかったこれにとって、ベンジャミンは息子のような存在だ。
「まあ、諦めろ。そして少しは悔い改めろ」
「だが、こいつは私と口もきかないのだぞ。そんな相手と過ごせるかっ」
「それは、お前が悪いんだろう? じゃあ諦めろ」
オオガミも何だかんだで拾ってきただけにベンジャミンに愛着が強い。
「それと、ドクター・ベリルがこちらに来ています。ご対応を」
「あ? くそっ、ジェームの医者ってそれかっ。それを先に知ってたら許可なんてしなかったっ」
「でしょうね」
言ってからベンジャミンが泣き止んだユマをもう一度こちらへ渡す。




