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シアの調査

ようやく人間と遭遇です。

まぁシアとフロンがですししかも遭遇とは言えないかも……?






あと作者の名前から他の小説に跳べるようにする方法を教えてくれる優しい人はいませんか? 割とやり方が分からなくて困ってます。

月も出ていない真っ暗な夜に霧になって空を飛んでいる。

お父様のダンジョンがある森はとんでもなく広く、例え森の中に入ったとしてもお父様のダンジョンにたどり着くことは不可能だろう。

さらには森の中には大量の野生動物がいる。

私達からすれば驚異にはならないが人間達にとっては十分脅威だろう。

さらにはダンジョンの位置は森のど真ん中。

これで魔物を森の中に放てば益々たどり着くことは不可能になる。

まさしく天然の要塞。


そして私達はそのお父様の命令で人間達の偵察に出ている。

人間ならばダンジョンから街まで2週間はかかる距離だが私達なら数分で到達できる。

しかし街の位置は全く分からないらしくて情報が無かったため1時間もかかってしまった。

まぁこれは仕方がないだろう。

森を出てから飛び回ってようやく見つけたのだ。

むしろ事前情報無しで良くやったと褒めて欲しい。


街の上空に着いた私達はひとまず人目につかない所に降りて霧化を解除する。

実は霧化は割と何かを消費する。

いい加減この何かをなんと呼ぶか決めようとは思うのだがいい名前が思いつかず保留にしている。


まぁそれはさておき、運のいいことに近くを人間が1人で歩いている。

これは早速手駒を手に入れるチャンスかも知れない。

2人で頷き人間の前に立つ。


「何だ~お前ら~ヒック! ガキはもう寝る時間だぞ~」


どうやらお酒に酔っているらしい。

呂律も回っていないし足元もおぼつかない。

まぁ私達としてはやりやすくて好都合なのだが。

そんなことを思いながら目を合わせた。

ビシリという音が聞こえてくるかのようにその瞳を真っ赤に変えて人間の動きが止まる。

私達吸血鬼の瞳は魔眼になっている。

名前は【支配の魔眼】と名付けられた。

名付けたのは当然のことだがお父様だ。

しかし実に的を得ている名前だと思う。

支配の魔眼は目の合った生物の精神と肉体を支配して操るというシンプルかつ、強力な能力を持っている。

お父様には効かないだろうということはなんとなく分かる。


まぁとにかく、これの便利なところは精神を支配するため知っている情報やらをペラペラと喋ってくれることだろう。

裏路地に連れ込んで役に立ちそうな情報を聞き出していく。

その結果かなりのことが分かった。

この男はこの街の領主の一人息子らしい。

そのため色々と収穫があった。

お父様のダンジョンがある森は“帰らずの森“と呼ばれているらしい。

一度足を踏み入れると二度と出てこれないことからそう呼ばれているらしい。

これは私達には好都合である。

ダンジョンに人間が来る確率が減るのだから。

歓迎するべきことだろう。

そしてこんな夜中に飲み歩いていたのは領主である父親が養子をとり自分は家を追い出されて与えられた屋敷で暮らすことになったためやけ酒を飲んでいたかららしい。

これは本当に好都合かもしれない。

私達は今拠点がない。

しかもこの男はろくな交友が無かったため尋ねてくるような人はいないのだと言う。

私達はダンジョンの快適な暮らしに慣れてしまった。

3食昼寝におやつ付き、さらには暖かいお風呂に使ってのんびりする。

今更不便な生活なんて耐えられない。

しかもおやつやご飯は全てお父様の手作りなのだ。

これほどのご褒美は他にないだろう。

まぁ今はそんなことは言っていられない。

この男の屋敷に住み着くことにしよう。

使用人はいるらしいが支配魔眼があるため何も問題はない。


そうしてひとまずの寝床を手に入れた私達は領主の屋敷に忍び込むことにした。

屋敷の場所は男に聞き出した結果街で一番大きな屋敷だそうだ。

忍び込むこと自体は霧になってもいいし蝙蝠になってもいい。

だが霧化も蝙蝠化も何かを多めに消費するのだ。

少しでも休んでおきたい。

だがその前に一仕事しなくては。

屋敷の庭に出るとお父様から貰った種を出す。

4つあるこの種はお父様が作り出した魔界草の種でありこの数を揃えるのに体力をかなり消耗したらしい。

これがあれば確かに諜報にはかなり役立つだろう。

しかしこれは警備にも使える。

屋敷に侵入者が来れば魔界草が教えてくれることだろう。

ついでにシャドウキャットを放つ。

彼は彼でやることがある。

一足先に領主の影に潜っておいてもらうことにしたのだ。

この方が効率がいいだろう。

とりあえず私達は休もう。

今日はもう疲れた。



気がつくともう外は明るくなっていた。

カーテンとか言うのを開けて外を見るともう太陽は空の真ん中辺りにあった。

夜行性の吸血鬼が夜に眠って昼に起きるなんてなんの冗談だろうか。

壁に掛けてある魔道時計とか言うのを見ると針は12を超えていた。

とりあえず男や使用人達に普段通りに過ごすように命令すると私は霧になって外に出る。

フロンはまだ寝ていたからもう少し寝かしておこう。


さて今日はどうしようか。

……調査のついでに私の能力を試すのもいいかも知れない。

いや、確かこれはスキルと言うのだったか。

私達の霧化や蝙蝠化もこれに当たるらしい。

そして私のスキルの中に眷属化というものがある。

どんなものかはなんとなく分かる。

まぁそういうものなのだろう。

効果は私の血を分け与えるとその生物も吸血鬼になるという能力。

しかし私はお父様に作って頂いた存在である。

そこら辺の人間なんかで試す気にはならない。

血を分け与える相手を選ぶのはこちらなのだ。

ちゃんと選ばないとお父様に失礼である。


……そうだ。

昨日男に聞いた話の中に奴隷というものがあったはず。

確かこの間あった統一戦争とかいう戦争の敗戦国の住人を奴隷にしているらしい。

人間らしい効率的なやり方だ。

その中に私の気に入るやつもいるかもしれない。

そうと決めたら早速行ってみよう。

善は急げとお父様も言っていたではないか。


結果として私の気分は最底辺まで落ちることになるのだがこの時はまだ知らない。








明日も同じ時間に投稿します。

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