娘が有能過ぎた
フロンに出番をあげると言ったな?
あれは嘘だ。
……はいごめんなさい。
まぁでもちょっとはあげたので許してやってくださいw
そう言えば聞きたいのですが作者の名前から他の小説に跳べるようにする方法を教えてください!
シアとフロンを作ってから他にも色々と人型の魔物を作ろうと試行錯誤しているが中々上手くはいかない。
一度作った魔物はダンジョンポイントを使って作ることができるが現状とても少ないダンジョンポイントをあまり使いたくない。
だからどうにかして人間社会に溶け込める魔物を作ろうと、何体も作っていたらもう結構な数の魔物を作ってしまった。
しかも残念すぎることにその中に諜報向きなやつがいない。
まぁ作りすぎた魔物はダンジョンの色々な階層に配置している。
あっ唐突ですがダンジョンはかなり改築しました。
下へ、下へとどんどん伸ばしていった結果今では地下100層まで存在しておりしかも下に行けば行くほど広くなるという構造になっている。
その中には色々な環境が用意されている。
砂漠や森、水浸しの階層もあれば山脈が連なっているようになっている階層もある。
こういった階層は特殊階層と呼んでおり普通の階層は洞窟のような見た目の迷路になっている。
まぁ何が言いたいかというとこれからどうしようかということである。
情報を集めたいがその情報を集める人員が圧倒的に足りない。
ここは一度吸血鬼達だけで調査に行ってもらうか?
いやしかしそれではたった二人でとんでもない広さの国を調査することになるから結局人員が足りない。
困ったものだな。
「どうしたの?」
いつの間にかそばに来ていたフロンが小首をかしげて聞いてくる。
その様子に癒されながらなんでもないよと頭を撫でるとニッコリ笑って俺の膝の上に座るのだ。
俺の身体は全て骨でできているからとても硬いと思うのだ。
痛くないのか聞いたら大丈夫だよ? と笑って言うのだから本当に癒される。
さてフロンの頭を撫でながら考えよう。
「あらフロン。お父様に迷惑をかけては駄目よ?」
これまたいつの間にかそばに来ていたシアが
これまた俺の膝に乗りながら言う。
まぁフロンがわざわざ半分空けて座るあたりから来ることは察していたが。
「乗りながら行っても説得力が無いんじゃないか?」
「細かいことは気にしてはいけないわ。お父様」
何というかこの二人はちゃんと加減を分かってる。
いつも怒られない範囲で好き勝手やっているのだ。
「どうかしたの?」
シアが頬に指を当てて肩越しに聞いてくる。
どうしてこの子はこんなにあざといのだろう。
いや悪い意味ではなく。
こう、憎まれないあざとさというか。
……まぁ相談してもいいかな。
「君達を作った理由はもう説明したね?」
「えぇ聞いたわ。人間社会に紛れ込んで情報を持ってきて欲しいんでしょ?」
「私もそう聞いた」
「まぁそれでね、君達吸血鬼以外にも諜報が欲しいわけだ」
「……私達じゃ不満なの?」
シアは赤い瞳を鋭く細めて言う。
頭を撫でながら苦笑いする。
「そうじゃないけどね。どう考えても人手が足りないだろう?」
「それはそうだけど……」
納得がいっていないのか不満そうな顔を隠さないシア。
まぁ理解はしているようだからきっと大丈夫。
「まぁそういう事だから人間社会に溶け込める魔物を作ろうと思ってるんだけど中々上手くいかなくてね。それ以外に便利そうな魔物達はかなりの数を作れたんだけどね」
「ふ~んでもそれ別に人間社会に紛れなくても良くない?」
「え? でもそれだと諜報活動ができなくないかい?」
「情報さえ手に入ればいいんでしょう? なら植物とか他の動物でもいいじゃない」
……なるほど、それは盲点だった。
確かに人間の形にこだわりすぎていたかも知れない。
植物に動物ね……考えてみよう。
「ありがとう。なんとかなりそうだよ」
「お礼なら今度一緒お昼寝でもしてくれればいいわ」
前にダンジョンの外に出た時にとてもいい日差しだったもんだから木の上にあの何かでログハウスを作って昼寝をしていたらシアとフロンに見つかってそこでたまに過ごしているのだ。
君達日光に当たったら弱体化するよね? と言っても特にやめないしかなり気に入ったらしい。
いわゆる日光を歩く者というやつだろうか。
そう聞いたらその響きが気に入ったとそう名乗るようになった。
ただ2人で眠るよりも俺が一緒の方が楽しいとよく一緒に寝ることをせがまれる。
可愛いものである。
「はいはい。また今度ね」
「約束したからね!」
そう言ってシアはフロンを引っ張っていく。
俺がこれから作業に入ることを察したのだろう。
察しが良くてとても助かる。
じゃあ作りますかね。
俺は立ち上がるとダンジョンコアのある部屋へと転移する。
俺はダンジョンの内部ならどこにでも転移ができる。
これはかなり便利なので重宝している。
そして歩いてダンジョンコアに触れると早速作り始める。
見た目は植物。
あの何かに反応して開花する赤い花。
そして他の生物の体内に種を放り込みその身体を乗っ取るという恐ろしい仕組みになっている。
さらにはツタを伸ばして攻撃してくる。
射程は1メートルほど。
微弱だが毒を持っていて人間が対象なら熱と吐き気に襲われる程度。
潜伏期間は2日ほどかな。
うん、できた。
一度イメージできればあとは簡単なものである。
この世界ではまだ魔物の存在は気づかれてはいない。
だからそのアドバンテージを活かそうと人間と同じ形の魔族を作ろうとしていたがちょっと発想を変えればアイディアが出るわ出るわ。
そうして作られた魔物、種族名としては『魔界草』かな。
うんじゃあ次いってみよう。
見た目は黒猫。
その実態は影。
影に潜ることで隠密を専門とする影の猫。
ただこれだと強すぎる。
影に対する攻撃手段とかあるわけが無いしね。
アテルナはバランスが大事だと前に言っていた。
だから生物の影に潜ったらその生物は体調が悪くなることにしよう。
うんこれなら完璧。
とりあえず『シャドウキャット』と名付けよう。
そして現れたのは輪郭がぼやけて黒いモヤに包まれた黄金の瞳を輝かせる黒猫だった。
「おはようございます我が主」
「お、おう……おはよう」
これなら大丈夫かな。
さぁそろそろ始めようか!
ちなみに魔界草が200ポイント、シャドウキャットが300ポイントの消費で作れた。残りのポイントは5490……節約しないとなぁ。
この小説書くのがとても楽しい。
明日も同じ時間に投稿します。