とある少年の平凡な狂気
今回はグロ注意です。特に動物虐待的な描写があるので苦手な人は気をつけてください。
僕の名前は桐崎寺役。どこにでもいる普通の男子高校生だ。
いや、訂正する。僕は恐らく普通ではない。
僕には顔すら分からない母親がいる。父さんから話を聞いた限り、僕を産んだ後すぐにどこかへ消えていったらしい。とても綺麗な人だったらしいが、顔も知らないし、どうでもいい事だ。
僕はあまり周囲で起こる事に関心がない。人気シリーズのゲームが発売されても、お気に入りの味のおにぎりがコンビニから消えても、クラスメイトの兄がしんでも、僕にとっては至極どうでもいい事だ。
だから今日も僕は、昼休みに入るとすぐに屋上に登る。この学校の屋上は、とても開放感があり、気に入っている。煩わしい人間関係も気にせず、のんびりと過ごす事ができる。
「だって言うのに⋯⋯」
今日はいつにも増して屋上が騒がしい。理由は明白、学校の二大アイドルとか言われてる、天野結花と、上里桜の2人がこの場所に揃っているから。この学校でも屈指の有名人であるこの2人が揃ってると知ってか、屋上の入り口に少し人が集まっている。面倒な⋯⋯
別にいるだけなら構わない、でも、ざわざわざわざわとうるさいのはやめろ!
あぁうるさい。何てうるさいんだ。
僕は、突如として発生してしまった喧騒を避けるために場所を映る事にした。
結局あの後、喧騒を避けるために校内を彷徨いていたら昼休みが終わってしまった。僕はイライラとした気持ちを抱えながら、その日の業務を終わらせた。
家に帰れば、また退屈な時間が訪れる。
自宅であるアパートの2階に登り、中に入る。
「寺役! おせぇぞ!」
「⋯⋯ごめん父さん」
この男は僕の父親。仕事から帰ってくると、酒ばかり飲んでいる最低なクソ親父。昔はこんな人じゃなかったらしいが、母さんに逃げられてから変わったらしい。
まぁ僕の記憶にある父さんは最初からこうだったから特に思うところはない。それに、父さんが僕にしてくれた事なんてほとんどない。酒を飲んで、僕に暴力を振るって、夜に女に会いに行くだけ。
今日もやっぱり昼間から酒を飲んで酔っ払っていた。最近父さんが酔っ払ってない時を見ていない。
「あぁそうだ、今日俺は外に出てるからなぁ」
「分かったよ」
どうせいつもの事だろうが、別にいちいち報告しなくても分かってるよ。
「ついでに今度ソイツと結婚する事になった」
「はぁ?」
これには意図せず疑問の声が漏れる。
「この間ヤッてたらさぁ、いきなり餓鬼ができたとか言われてよォ。診断書まで出てきたからまぁいいかって思ってな?」
あぁそういう事か、その程度ならまぁいいかな。父さんは、なんだかんだ言っても母さんの事が忘れられなかったみたいだし、これで僕が暴力を振るわれる事もなくなるといいんだけどね⋯⋯
「弟か妹かは知らねぇけど良かったなぁ?」
「そうだね、楽しみだ」
特に興味はないけど。
「じゃあちょっと外に出てくるよ」
「ついでに酒のツマミでもコンビニで買ってこい!」
「分かった」
財布を持って外に出る。
空はくすんだ灰色をしていた。
家の前を猫が通る。この猫は、ボクが暇つぶしで餌付けをしてたらいつの間にか僕に懐いた黒猫で、とても人懐っこい性格をしている。
⋯⋯コンビニに行く時についでにコイツの餌も買ってきてやろうかな。適当な猫缶でいいだろう。
*******
コンビニでスルメと猫缶を適当に買って帰路につく。
家に着くと、まだ家のそばにいた猫を見つけ、餌をやるために缶切りを探す。父さんはビール缶を何本もひっくり返しながら眠っていた。缶切りは、洗われていない皿やフライパンなんかが転がっている台所にあった。缶切りを洗ってから、猫缶を開ける。
猫はまだいた。
猫缶を自分の足元に置いてやると、猫は喜んで近づいてくる。それが何かを確かめるかのように鼻を近づけると、美味しそうに食べ始めた。
「美味いか?」
返事はない。まぁ猫だから当然か。
⋯⋯さて、じゃあ、始めるか。
常に持ち歩いているポケットナイフを抜き、無防備な猫の首筋へと突き立てた。
「み゛ゃ゛!?」
咄嗟に飛び退こうとする猫を捕まえ、近くに置いてあったダンボールに押し込める。そのまま家の近くにある空き地にダンボールを運ぶ。
周囲に誰かがいない事を確認し、ダンボールを開ける。中にはビクビクと首筋から大量の血を吹き出し、痙攣している黒猫が横たわっていた。
(死ぬのは時間の問題か⋯⋯それまではしっかりと遊ぼう。勿体ないからな)
ダンボールの中に一緒に入れていたハンマーや釘、ノコギリ、レンチなどを死にかけの猫と一緒に取り出す。
そして⋯⋯
**********
気がつくといつの間にか10分間も経っていた。そこには自分でも驚く程綺麗に解体された肉塊が転がっていた。常人なら吐き気を催す光景なんだろう。でも僕には関係ない。
僕はたまに生き物を殺したくなる。最初にこれに気がついたのは8歳の時だった。最初のうちは蟻を潰していた。一体一体指でプチプチと、その後巣に水を流し込んで遊んでいた。これぐらいなら子供の頃に誰でもやった事がある遊びのうちだ。
次に目をつけたのは猫だった。家の近くの空き地で車に轢かれた猫がいた。そいつはまだ生きてた。だから俺は面白半分で、その猫を殺してみた。その時はあっさり殺しすぎた事をかなり後悔した。
それからは何度も殺した。犬も、猫も、鳥も、人間も。
一番最初に人間殺したのは、14歳の時、たまたま猫を殺したところを同級生の女子に見られた。そして運が悪い事にその猫はその同級生の飼い猫だったのだ。それが分かった時点でその同級生の女子を殺した。
でも人間を殺せば当然処理が必要になる。だから俺は、まず同級生をバラした。元々場所がそういった処理に向いていたゴミ捨て場だった事もあり、割と処理は楽だった。
なるべく血液が出ないように殺したし、少し流れた血液は水で全て洗い流した。そして運ぶためのクーラーボックスも用意できた。その日は既に父さんは外に出てたから、死体を家に持ち帰って、夜になってから近くの雑木林の下に埋めた。
そして何食わぬ顔で家に戻り、一人の人間の死を隠蔽し続ける事に成功した。
クーラーボックスを洗い、中に溜まっていた血を流した後、元の位置に戻した。
しかし特に達成感が湧いた訳ではなかった。
でも、僕の身体からは、同級生が殺してバラした時の感触と、よく分からない快感が抜けなかった。人間を殺したのはこれが初めてだった。でも、僕はこの遊びにハマった。だから僕は思ったのだ、今度は大人を殺してみたい。殺すターゲットは既に決まってる。僕を捨てた母さんだ。母さんの居場所は大体調べる事ができたから、後はそこを虱潰しに探して見つけるだけ。
そして見つけたら聞いてやるんだ。「何で俺を捨てたのか」ってね。とっくに離婚したんだから、もう関係なんてほとんどないのは分かってる。でも、それでも聞いておきたい、僕と父さんを捨てた理由はなんだったのか? 産んで捨てるぐらいなら、何故僕を産んだのか? 僕は別に死にたいとは思わないが、生きていたいとも思わない。
だから僕は聞いてやる。僕が生まれた意味を、僕がこんなに歪んでいる訳を。母さんはこんな僕を産んでくれた存在だ。ならきっと知ってるはずなんだから。
いつも通り、猫の死体はクーラーボックスに入れて雑木林に埋めた。でもそろそろ違う処理をしないといけない。漂ってくる臭いがとんでもなく臭いし、これで見つかったら、もう誰も殺せなくなってしまう。それだけは避けなくっちゃ。
⋯⋯あぁそれにしても、
やっぱり人間を殺したいなぁ。この程度の小動物じゃ我慢できなくなってきちゃった。
サイコなキャラ書いてみたいなぁとか考えて書いてたらいつの間にかこんなキャラになってたwちなみに名前は有名な殺人鬼の名前を日本風にしたものなので御容赦を。
コイツに関してはこれで終わり、次はどいつ書こうかなぁ。




