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地獄の予兆 1

今回は短めです。

「じゃあまずは最初の質問、“帰らずの森“を開拓するために人間が森に来るのはいつ?」


「2ヵ月後です」


これでギンの情報の裏は取れた。まぁ嘘をついているとは思っていなかったが嘘の情報の可能性も考慮しなければならない。


しかしこれで色々と対策が取れるわね。“帰らずの森“から1番近い街はこの街だ。確実に1度この街によるでしょうね。

ならば色々とやりようはある。


「もう森に調査隊は出したの?」


「今ちょうど森へと向かっているかと」


「そう……少しタイミングが悪かったわね。まぁいいわ。なら他にも情報を教えなさい」


「はい分かりました」





「なるほどね、第2王子が今回の開拓者の派遣をしてるのね……そして1度この街で補給して森を開拓すると……」


「その通りです」


今から行けば調査隊に追いつけるかしら。それからその調査隊を支配の魔眼で傀儡にして便利な道具にすればいいわ。

それでいきましょう。


「ここにいたかシア」


「あらシャドウキャット、よくここが分かったわね?」


「お前の気配をたどってきたらここに着いたのでな。まぁそれよりもこんな所で何をしている?」


そうね、シャドウキャットにも情報を共有した方がいいわ。後でフロンとギンにも教えてあげないと。


私はシャドウキャットに今聞いたばかりの情報を教えた。


「なるほど、それなら確かにお前が対応した方がいいだろうな」


「えぇそうね、フロンも眷属探してどこかに行ってしまったし」


「眷属? 確か我が主(マイロード)からも聞いてはいるが……吸血鬼を増やす能力だったか?」


「砕いて説明すればそうね。フロンったら私が眷属を作ったのを見て自分も作りたくなったらしいわ。本当に可愛いわよねぇ」


「眷属を作ったのか?」


「えぇ、ギンって言うのよ? 多分屋敷にいるはずよ。まぁギブアンドテイクってやつよ」


「……よく分からんがまぁ任せたぞ? 俺は他の貴族の元で情報収集を続ける」


「了解したわ。頑張ってね」


そう言い残してシャドウキャットは影に溶け込みながらどこかへと消えていった。


「相変わらず便利な能力よねぇ。私も仕事をしなくちゃ」


霧化を行使し窓の隙間から森に向かって飛び立つ。そして何気に初の行使である蝙蝠化を使う。霧から蝙蝠へと身体を切り替えるとその速度は霧の時とは比べ物にならなかった。






「しかし今回の仕事は大丈夫なのかねぇ」


「まだ言ってんのか……俺達に拒否権なんてないんだよ。分かったら文句言わずに仕事しろ」


「そりゃあそうなんだけとよぉ」


数分飛び回ってようやく見つけることができた。

調査隊はまだ森に入ってない見たいね。それは良かったわ。お父様の森に無断で立ち入ろうなんて……殺すしかなくなってしまうもの。使いようはあるのだから有効に使わなければ勿体ないわ。


「御機嫌よう皆様」


「な!? いつの間に!」


「おい誰だこんな子供を陣地に入れた馬鹿は!」


「見張りは何やってんだよ!」


「ちっ違う!俺はずっとここにいたんだ! 見過ごすはずがないだろ!」


「じゃあこのガキはなんなんだよ!」


見張りをしていただろう男が言うがまぁ当然のように信じられない。

まぁ私はここにいるしね。サボっていたと思われるのもしょうがないわ。


そんなことを他人事のように考えていると私を追い出すためか数人の男が近づいてきた。


「あ~お嬢ちゃん。ここは入っちゃ駄目だぞ?」


しかしそれ以上話すことは不可能だった。なぜならシアと正面から目を合わせてしまったから。

その状態になればもはやどうしようもない。

まるで石像のようにその動きを止めて硬直する。


「あ? どうした?」


その様子に不思議に思ったのだろう。支配した男を覗き込むと目を見開いて硬直していることに驚く。


「おい! どうしたんだよ!」


もう彼らの声は彼には届かない。そして今声を掛けた男もまた硬直する。

流石に異常事態の原因が私であることに気が付いたのか私に剣を向ける。


「その抵抗に意味なんてないわよ?」


「抵抗するな!」


「……私のセリフなんだけどなぁ。まぁいいわ。遊んであげる」


「舐めるなよクソガキ!」


彼らにとっての地獄が始まる。





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