表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/23

十一月一日は色々ある日。

 「相馬君。今日は紅茶の日らしいのですが、寿司の日でもあるらしいのですよ。あと、わんわんわんという事で犬の日でもあるらしいです」


「ふーん」


 陽菜が張り切って淹れてくれた紅茶が美味しくて、上の空の反応になってしまった。

 台所を覗いてみれば、乃安が酢飯の準備をしている。


「紅茶と寿司が合わないのが残念な所だな。寿司にはやはり緑茶だろう」

「そうですね……ところで、何で寿司の日なのですかね」

「……確かに……寿司。すーしー。花金座銀でシース―?」

「古い言い回しを知っていますね」

「……わからんな」


 陽菜のふとした疑問が頭に引っかかって離れない。

 何故だ。


「何かお悩みですか?」


 乃安が台所から出てきた。


「何故今日が寿司の日かって、乃安は知ってる?」

「知りませんね。日本人らしく語呂合わせ……何も思いつきませんね」


 十一月一日、寿司。どうにも繋がらない。

 気が付けば腕を組んでうんうん唸っていた。陽菜も、テーブルを拭く手がどこか疎かに、乃安も少し手際が悪くなっている。

 ここで答えを出さなければ、どうしたものか。

 さっきまで勉強に使っていたノートを開いて、十一月一日と書いてみる。


「……ん?」


 その下に、寿司と書いてみる。


「んん?!」


 あれ、これ、もしや。


「おぉ! これは!」

「何かわかったのですか? 相馬君!}

「十一月一日を分解して組みなおすと、寿司になるんだよ、これ」

「……本当ですね! 大発見です。なるほど、これが由来ですか」

「そうですね、しっくりきます」


 二人にも納得してもらえた。

 あぁ、すっきりした。少し冷めてしまった紅茶が美味しく感じる。

 それから、ようやく文明人らしく、スマホに手を伸ばして調べてみた結果、ちゃんと歴史的由来があって、ため息を吐いた。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ