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懲役千年  作者: とおる
4/4

日本語は亡くなりました。

森を抜けると、歴史博物館で見た民家?が目の前に数軒ございました。


集落は木の柱で囲われ、扉の無い門があった。

歴史には詳しくないので、一番古く知っている時代よりも古い民家。

詳しく伝えたい、歴史的建造物だ。


そうだ!好きなマンガで読んだ、北海道民族アイヌの家「チセ」に近い。


そうか、ここ北海道か。

本州からの開拓前に来たのか。

試された台地で、閻魔に刑期を試せと。


前世は網走だったのかな?


集落の道では子供たちが仲良く遊んでいる。


あずささんが門の前に近づくと、

子供たちに向かって、チセに入れと叫ぶ。

慌てて子供たちが歴史的建造物に入った。


あーほんとに家の事はチセって言うんだ。

知ってる単語があると人間嬉しいものですね。


門を通り、中でも一番大きくいい感じのチセの前で、

あずささんが、お前ここで待て、長と喋る。

そう言って、中に入って行った。


長の家はやはり大きいのね、さすが長。


長と話す、入れ男。

俺、清血です。

俺はまだあずささんに名前覚えてもらえてない様だ。


ん、入れ。


お邪魔しまーす。

長と対面。

年は中年。

服はあずささんと同じくシカ製。

靴も強化版わらじ。

頭にはたぶんウサギかリスのモフモフ帽子。

中年太りよりはスリム。

座ってるので身長は分からない。


あずささんは長の横に立つ。

武器を持って。


そりゃ警戒しますわな。

頭を下げ、とりあえず正座。


質問したいが、まず、長の質問を聞こう。


長が語りだす。

すごく長いの話だったのと、ちょくちょく分からなかったが、要点を三行で。


お前は受け入れてもいいが、働け。

チセは自分で作れ、道具は貸す。

悪い事をすると殺す。


分かりました。頑張ります。

そう言って、頭を下げる。


こちらからも質問いいですか?


長、ゆるす。


では質問です。

日本ですか?

今何時代、何年ですか?

他の集落はありますか?

ホントはテレビとか電気ありますよね?

えっとえっと…


すると、あずささんにいっぺんに質問するなと怒られた。


にほんじんだ名は長。


おーここ日本か、良かった。

族長の名前が長って。

あずささん族長呼び捨てだったんだな。


じだいは知らない。

他に集落は無い。ここだけ。

てれびでんきは知らない。


おっと、そう来たか。

厳しい世界に来たな。


追加質問だ。

ここの人以外に人間はいますか?


にんげん知らない。


おっと?人間を知らないとは?


えっと、

ここには、大人人間8人子供人間5人ですよね?


にんげんは知らないが、大人にほんじん8人子供にほんじん5人だ。



なぜ人間が通じない?



日本語ですよね?


長はにほんごではない、長はにほんじんだ。


おっと、日本人が長は分かる。


日本語は亡くなりました。

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