千葉からの伝言
「……な~んてね、そんなことあるわけないよ。エビ太君、いまラップを剥がしてあげるね」
「……ほんと?」
「超高速回転で」
「エビぃっ?!」
ぐるぐるぐるぐる~……。
(ラップはそう、くるくると簡単には剥がれません)
目が、目が回る!!
エビぃぃぃぃぃぃ~!!
……ぽてっ。
床に落ちたエビ。
「あ~、なんかスッキリした。日頃の鬱憤がちょっとだけ晴れたなぁ」
こいつ、完全に根性腐ってやがる!!
その時。
きらり、とガラス窓が光った。
ガシャン、バリーんっ!!
なぜかどこからか、ゴルフボールが飛んできた。
それも、なぜか炎をまとって。
そのゴルフボールがエビえもんの後頭部を直撃した時の擬音を、エビの僕にはなんと表現していいのかもはや解らない……。
言ってみれば、隕石が降ってきたのかと思うような音?
そうして気がついたら、エビえもんが床の上に倒れて、完全にのびていた。
ピピピピピ~……。
エビえもんのスマホが鳴ったので、僕が応答する。
「エビえび(もしもし)?」
『あ、エビ太? アタシ今、接待ゴルフで千葉にいるのよ』
隊長さんだ!!
(接待を受ける側か、する側かは知りませんし、そういうことがあるのかどうかも謎ですが)
『ゴルフなんて久しぶりだから、つい張り切っちゃった。ボールがどこに飛んで行ったのかわからなくなっちゃったんだけど、たぶん、そっちに飛んで行ったんじゃなかと思って』
千葉から広島って……まぁ、この人ならなんでもありだよね。
言われてみて確認すると、ボールに名前が書いてある。
【ゆっきー】って。
AS○BAじゃないよ?
「きてるよ! すごいや、隊長さん!!」
化け物だぁ……。
『でしょ? あ、そうそう。千葉って言えばピーナッツか、マリーンズよね? お土産買って帰るけど何がいい? オラ○ダ屋の落花生パイか、マリーンズのユニフォームかしらね?』
ずいぶん、千葉に詳しいエビね……。
『……それよりエビ太、エビえもんにいじめられてない? あの子、アタシがいないと調子に乗るでしょ』
そのと~り!!
「うぅ、隊長さん……」
『エビ太? どうしたの?』
「お土産なんかいらないよ……早く帰ってきて、隊長さ~~~んっ!!」
で、隊長さんが僕に買ってきてくれたお土産。
どこかの回転寿司屋チェーンで使ってる、ネタが乾かないようにするための……あれだよね?
割とこれ、空気の通り道が少なくて息ができないっていうか……苦しいんですけど。
……以下次号!!