リア充爆発しろとか言わないの
<SIDE エビえもん>
「……何これ……」
エビ太君を連れて宮島までやってきた僕は、少し離れた場所で様子を見ていたのだけど。
呆然とした。
隊長さんは?
エビ美ちゃんを連れて一緒にこっちに来てるはず。
どこに行ったんだろう。
……。
どうせいつものパターンで『助けて、隊長さ~ん!!』ってなって、あのタコは隊長さんに踏みつけられて……あれ?
もしかして、あのタコ……。
嫌な予感が……。
<SIDE エビ太>
もう、ダメかもしれない。
最後に隊長さんと会いたかったな……。
でも。エビ美ちゃんにちゃんと気持ちを伝えられて、ホントに良かった。
その時。
「エビ太―――っ!!」
隊長さんの声だ!!
「新しいネタよ、ほら!!」
なんだろう、これ。
ものすごく力が全身に漲って……。
今ならイケる気がする!!
「スペシャル版エビぱ~んちっ!!」
どっかあぁぁぁ~んっ!!!
やった!! クリティカルヒット!!
「たちつてとーっ!!」
タコは遠くへ飛んで行った。
そして。少し離れた場所で、ふげぇっ?! とかいう、どこかで聞いたような変な声が聞こえた気がした……。
「エビ美ちゃん……大丈夫?」
僕は急いでエビ美ちゃんの元に駆け寄った。
「エビ太さん……」
ひしっ。
「私、私……っ!!」
「大丈夫、怪我はない?」
「はい。私はなんとも……」
「良かったエビ。ほんとによかった……」
「エビ太さん……」
「なぁに?」
「私、もう絶対に、エビ太さんのお傍を離れません……!!」
「僕も、エビ美ちゃん以外のエビにはもう……近寄らないよ」




