ヒロインのぴ~んっち!!
<SIDE エビ美>
「ほらエビ美、見ろ。最近、厳島神社の鳥居がライトアップされるようになったんだぞ」
「ほんとう、綺麗ですね……」
綺麗だけど。
夜の海はあまり好きではありません。
なんだか、暗い気持ちにさせられるから……。
ここはそもそも、太古の昔には人が住むことすら許されなかった場所です。
でも今は、人も鹿も多くて……以前の静けさはどこに行ってしまったのでしょう。
と、その時でした。
ぬぼぼぼ~~~~~っ!!
「きゃあああ~っ、タコ――――っ?!」
突然、海からタコが上がってきました。
それも、タコつぼを持って。
あれは確か、以前、三原で見かけたゴルタコさん……!!
「有罪……エビえもん、有罪……」
ゴルタコさんはどうやら、エビえもん様を探していらっしゃるようです。
「うわぁあああ―――っ?! タコ、タコだぁああ~!!」
エビ右衛門様は一気に酔いもさめたような顔で、我先にと一目散に走って逃げて行きます。
こう言う時、エビも本性が出るものです。
逃げなければ。
でも、近くにあった石につまづき、私は逃げ遅れてしまいました。
このままタコの餌食になってしまうのでしょうか。
それもありかもしれません……。
エビ太さん。
最後に一目、お会いしたかった。
その時です。
「エビ美ちゃーんっ!!」




