【Bコース】こいつぁ、やばいぜ!!
イラストは藤 菊様からいただきました。
<SIDE エビえもん>
どうも、エビえもんです。
なかなか心を開いてくれない、ロシアからやってきた(というか僕が連れて帰った)特殊なエビ、シュリン・プーさん。
エビ太君は必死で彼女に話しかけたけど、しばらくは上手くいかなかったんだよね。
『プーさんにエビ語で話しかけてごらんよ、そうしたらきっと仲良くなれるよ』
そうアドバイスして実行したその日から、プーさんのエビ太君に対する猛アタックが始まった。
エビ太君、タジタジ。
なんかどうも、余計なことしちゃったみたいだね。
いつものことか、あはは……。
「エビタ、エビタ!!」
「ひぃ~っ!!」
「助けて、エビえも~んっ!!」
プーさんときたら、フリ幅が半端なさすぎ。
猪突猛進。
エビ太君、すっかり怯えちゃってるよ。
これじゃ美人局の意味がないじゃないか。
それにしても……エビ美ちゃん、ちょっとかわいそうだな。
あ~あ、泣きそうな顔して……。
※おめーのせいだろうが!!※
<SIDE エビ美>
こんにちは、エビ美です。
わかっていました。エビ太さんは誰にでも公平にお優しい方です。
でも。
今は正直、とても辛いです。
私だけがエビ太さんにとって『特別』なんだと思うのは、おこがましいことなんでしょうか。
「エビ美」
隊長さんが声をかけてくださいました。
私は思わず、隊長さんの肩に飛び乗りました。
「一度……実家に帰る?」
私の実家(笑)は宮島にあります。
「はい……」
<SIDE エビ太>
参ったな~……もう。
プーさん、どこまでも追いかけてくるんだもん。
それもこれも、全部あいつのせいだ、エビえもん!!
自分がバツイチで、浮いた話の一つもないからって……!!
エビ美ちゃん、たぶん誤解っていうか……嫌な気持ちしてるだろうなぁ。
僕はエビ美ちゃんのことだけが好きなんだよって、ちゃんと言わないと。
そうだ。
タイミングなんでもう、なんだっていいや!!
「エビ美ちゃん!!」
なんだけど。
エビ美ちゃんは隊長さんの肩に乗って、どこかに出かけようとしていた。
「どこ行くの?!」
「……」
「待って、あのね……!!」
「エビタ!!」
と言ってる傍から、プーさんが追いかけてきた。
「プーさん、あとでね! エビ美ちゃん、どこ行くの?!」
「……」
「エビ美ちゃん、エビ……っ」
「エビタ、アイラーブユ~!!」
……。
……。
あ……ヤバい……。
ぶわっ!!
「エビ美ちゃん、待って、エビ美ちゃ~んっ!!」
……以下次号!!




