だって女の子だもん
僕の名前はエビエビ太。
以下略。
最近ちょっと、エビ美ちゃんの様子がおかしいんだ。
前はいつもニコニコしていたのに。
静かなのは前からだけど、なんだか悩んでいるみたい。
今日の夜だって……。
「じゃ、アタシは先に帰るわよ。あんた達も適当に切り上げて帰りなさい」
「はーい」
隊長さんが帰る時はいつも、玄関までお見送りするのが習慣なんだよ。
前は僕達のこともお家に連れて行ってくれてたけど、備品を持って帰るなって総務の人に叱られちゃったからね……。
だから僕達は会社に居残り(笑)
「エビ美ちゃん、行こう?」僕は隊長さんの右肩に乗る。
「……先に行っていてください……」
「う、うん」
「ねぇねぇ隊長さん、この頃エビ美ちゃん、元気がないみたい……」
「そうみたいね」
「でも、何でもないって言うんだよ?」
「あのね。エビ美は女の子なの。あんたはオスだからわからないかもしれないけど、女の子っていうのはデリケートな生き物なのよ?」
「……そうエビ?」
「そうよ。周期的に体調の変化があるから、そのせいで気分も上下することがあるし。別に何か怒ってる訳じゃなくても、身体の調子で気分が沈んだり、いろいろあるのよ。そういう『知識』は覚えておいて損することは決してないわよ?」
「うん、わかった!!」
「とは言っても……別の可能性も考えられるわね」
「なに? それ~」
「あれかしらね、倦怠期」
「けんたいき?」
「どんなに仲のいいカップルにも必ずやってくる、お互いに対して飽きがくる状態よ。特にあんた達、いつもずーっと一緒にいるでしょ? だから余計よ」
ガーン。
「え、エビ美ちゃんは僕のこと、飽きちゃったの? どうしよう!! 助けて、隊長さーんっ」
「あのね、こればっかりはアタシもどうしてあげることもできないわ」
「そんなぁ……」
ガックリ……。
「あんたはどうなの? エビ太」
「え?」
「エビ美のこと、どう思うの?」
「ぼ、僕はエビ美ちゃんのこと、大好きだよ?!」
そしたら隊長さん。
「……最近いつ、エビ美にその台詞を言ってあげた?」
「え……?」
「愛情表現はちゃんとしないとね。言わなくてもわかってるだろ、なんていうのは無しよ? もっとも、やたらに言うと信用なくすから気を付けてね」
難しいこと言うエビね……。
するとそこへトボトボ、と言う感じでエビ美ちゃんが飛んでくる。
「エビ美ちゃん!」
「……はい」
「あのね、あの……」
ど、どうしよう。
いざとなると、口にするのがすごく恥ずかしい……!!
そうしたら。
「ただいま戻りました~っ!!」
エビえもんがめっちゃ笑顔で戻ってきた。
「……」
「……」
「……って、え?! なんで?! なんで僕、めっちゃ空気読めないクズ野郎みたいな目で見られてるの?!」
事実じゃん。
「それよりエビ太君、エビ美ちゃん、見て!! 新しい仲間だよ?!」
そうして。エビえもんの肩には見たこともないめずらしいエビが乗っていた。
うわ~……なんかすごい。
可愛いけど、なんだかとっつきにくそうだなぁ……。
エビ太にはこう見えるらしい。↓
「彼女はロシアからやってきた、シュリン・プーさん。仲良くしてあげてね」
「……」
愛想のない人だなぁ……。
でも、綺麗。
エビ美ちゃんにはかなわないけどね!!
あ、そうか。
こう言う時に、そういうことを言えば……でも、うぅ……っ。
「じゃあね。また、明日」
あ~あ……結局、言えなかったよ……。
……以下次号!!




