1人で三原へタコを買いに♪
と、いうわけで。
「班長さん、しばらく休みをください」
「……誰と、どこに、何をしに行くんだ?」
ああ、やだやだ。
これだからサツの約束事っていうのは……。
「1人で、三原へ、タコを買いに」
「タコ……?」
詳しく突っ込まれる前にズらかろう。
「なので、何か事件が起きても呼び出さないでくださいね?」
すると。班長さんの机の上で寛いでいたエビ太君が、余計な口を挟む。
「ダメだよ、エビえもん。それじゃエビえもんの存在意義が……」
「おだまり!!」
びくっ。
「ふぇ~ん、こわいエビーっ!!」
そして。
今回は隊長さんではなく、班長さんにガチで殴られたけど、めげることなく、僕は有給休暇の申請書をもぎ取って三原へと出かけた。
依頼方法もネットで調べた。
ただし、出現はランダムとのこと。
地元の漁師さんへ聞き込みをし、入念な調査を行った上で3日3晩張り込みをし……ついに出会えた!!
狙った獲物は逃がさない。その名も【ゴルタコ13】!!
ナニコレ。
すごい。
なんていうか、とにかくすごい。いろんな意味でヤバい。
「……用件を聞こう」
あ、日本語がわかるんだ……。
「どうしても、始末して欲しいエビがいます」
「……」
「そいつはエビのくせに、人間の言葉をしゃべるわ、宙に浮くわ、挙げ句に【なんか可愛い】と他ユーザー様から評価をいただいていて……おまけに≪県警最凶≫の称号を欲しいままにしている狂犬……しかも僕より階級は上……のチートなオネエを味方につけています。このエビをどうにかして痛い目を見させようと画策しても『助けて、隊長さ~ん』の一言で、逆にこっちが生死の境を彷徨うような有様で……僕は、僕はこのシリーズの主人公なんですよ?! 活動報告とは言え、このまま可愛いエビをのさばらせておくのは……主人公としての僕の沽券に関わります!!」
「……話はわかった……」
ドキドキ。
「それで、用件は?」
「だから、エビを始末して欲しいって……」
ひょっとして、少し脳が足りない……?
「……」
「……」
「スイス銀行三原支店に1ドルだ」
安いな……。
「入金が確認できたら、早速仕事にうつろう……」
……以下次号!!
≪次回予告≫
エビ太の運命やいかに?!
このままタコに始末されてしまうのか?
というか、結局のところ、このネタに何か意味があるのか……?!
いや、考えたら負けだ!!
じゃ、またエビ~♪




