エビ太が飛んだ日
こんにちは!
エビ太だよ。
実はね。
最近、すごいことに気づいちゃったんだ。
尻尾がプロペラの役割をして、実は宙を浮遊できるんだってこと!!
これで好きな時に、好きなところに移動できるよ。
ふよふよ~。
移動速度はさすがにドローンとまではいかないけどね。
あ、でも。
この話、エビえもんには絶対に内緒だよ?
だってパターンが読めるでしょ?
屋上に連れて行かれて、ここから飛んでみてって……ねぇ。
だからね。
大好きな隊長さんにだけ、こっそり教えることにしたんだ。
「隊長さ~ん、見てみてー」
ふよふよふよ~……。
「すごいでしょー?」
……あれ……?
なんだろう、その表情……。
え?
何、その手に持ってるの。
それ、ハエ叩きだよね……?
「ごめん、エビ太。アタシ……宙を浮遊している物を見ると、無性に叩き落としたくなるのよ!!」
本職はスナイパーだから(笑?)よくわからないけど。……
ヤバい!!
逃げなきゃ。
チートな隊長さんに本気で叩かれたら、それこそ文字通りの粉骨砕身になっちゃうよー!!
エンジン全開!!!!
フルパワーで。
機関最大出力!!
ガソリン満タン。
アークエビジェル(?)発進!!!
(戦艦だったのか、エビ太……)
ドぴゅーんっ!!!!
からの~……。
「助けて、エビえも~んっ!!」
「なに~? うるさいなぁ……二日酔いで頭が痛いんだから、静かに……」
僕はさっ、とエビえもんの背中に隠れた。
すると。
ばっちぃいいい~~~んっ!!!!!
隊長さんが振り下ろしたハエたたきは見事、エビえもんの頭にクリティカルヒットしましたとさ。
「……エビえもん、だいじょうぶ……?」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
「エビ太!! 大丈夫? 怪我はない?!」
「(なんかものすごく納得いかないけど)うわあぁ~ん、隊長さーんっ!! こわかったよー!!」
その後、エビえもんは夕方まで眼が覚めなかったそうな。
あなたは1人で生きられ……るのかな。




