熱湯風呂の危機
「助けて、隊長さ~んっ!!」
はははっ!! と、エビえもんの邪悪な高笑いが響く。
「無駄よ、ムダむだぁ!! 君の大好きな隊長さんは昨日カープが負けたショックで、引きこもってるんだよ!!」
#優勝したのにね……。
「大人しくこの熱湯風呂に浸かるんだね。動画を撮影して、YOUtubeにアップするんだ~♪」
この、クズ野郎!!
どうしよう?
このままじゃ……。
その時。
僕の頭に浮かんだのは、
【ぷちミントさま】が以前くださったコメント。
『エビ君は班長や隊長など、長のつく人から優しくされる法則がw
そして我々コメントをする人から愛されるのであったw』
そこで僕は思いつく限り、長のつく人を呼んだ。
『班長さん』
『課長さん』
『係長さん』
『いかりや長さん』
「県警本部長さん!!」
すると。
「はーい?♪」
え……?
髪の薄い、丸々と太ったオジさんがやってきた。
「エビ太きゅん?、ワシを呼んでくれた?」
誰だっけ……?
えーと、一応……高い階級にある人には違いないかな?
「……エビえもん、じゃったかのぅ?」
「いえ、和泉です……」
そう言えばエビえもんの本名って確か……。
「エビ太きゅんを粗末に扱う奴は、今すぐ離島の駐在所勤務じゃけんな。ええな?!」
この人、誰だっけ?
なんかどこかで見たことあるんだけどな……。
「のぅ、エビ太きゅん? ワシの肩に乗ってくれんかの……?」
不思議なオジさんが僕に言った。
「はぁ……」ぴょい。
「エビ太きゅん?♪ ぶち可愛い~!!」
えーと、どちら様でしたっけ?
「ワシはのぅ……北条君が君を肩に乗せてるのを初めて見た時から、いつか自分の肩に乗せてみたいって思っとったんよ!!」
一目惚れじゃ、と撫でてくれる。
それはどうも。
っていうか、誰……?
オジさんはギロっ、とエビえもんを睨むと
「おい、貴様! エビ太きゅんをいじめたら、大久野島行きじゃ思うとれ。ええな?!」
大久野島っていうのは確か……ウサギだらけの島。
人間はほとんどいない。
最近、外国人観光客に大人気だっていう。
……エビえもん、英語話せるのかな?
結局、このオジさんが誰だかわからないのは、エビえもんも一緒みたい。
「あ、あなたはいったい……?」
すると。
「余の(デカい)顔を見忘れたか!?」
「う、上様ならぬ……県警本部長様?! ははーっ!!」
うそ……。
県警本部長って、一番偉い人じゃん。
「ええか?! 今後、エビ太きゅんをイジメたら即効、大久野島行きじゃけんな?! 無礼は許さんぞ!!」
……以下次号!!




