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黒白の勇者 ~再召喚された異世界最強~  作者: 陽山純樹
第七章

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始まり

 ユキトが魔物と交戦する間に、カイは組織の建物内で作業をしていた。


「カイ」


 そんな中でツカサがカイのいる部屋を訪れ名を呼ぶ。


「少し気になることが」

「……どうした?」

「ユキトが今日、調査に出かけるということで該当場所周辺をモニタリングしていた。そこに魔力が現れたから、ユキトが来たのだろうと思っていたんだが……突然魔力が消えた」


 カイはそれを聞いて一考する。


「……ユキトがその場を去ったというわけではないんだね?」

「元々あった気配が突然消えた、だからな。転移魔法を使ったような形跡もなかった」


(……始まったか)


 カイは心の中で呟くと、考察を述べる。


「可能性としては二つ。一つはユキトがその場を離れた。あるいは、魔力を遮断してしまう何かによって観測できなくなった」

「……調査対象は地下だったな。洞窟などを見つけてそこに入ったとか、そういうことか?」

「ああ」

「だとしても、魔力の探知はできるはずだが……」

「入口などが塞がった場合はどうだい?」

「そのケースだと……いや、物理的に塞がっても本来なら魔力は観測できる……はずだ」

「でも、想定外の出来事が生じた、と」

「あくまで現段階では可能性の話だが」

「ユキトとの連絡は?」


 問い掛けにツカサは首を横に振った。


「電話は通じない。魔法も試みたが駄目だった」

「……様子を見に行った方がいいかもしれないな」

「誰が行く?」

「僕が」


 カイが告げると、ツカサは頷く。


「なら、俺達は――」

「今組織にいるのは誰?」

「俺やイズミ、それとタカオミ……研究している面々だけだな」

「なら他の人に連絡して、動けるようにしておいてくれ……仮に敵の計略で魔力が遮断されたとしても、ユキトなら問題なく突破はできると思う。むしろ僕達がわざわざ赴くと逆効果である危険性がある」

「ユキトの足を引っ張りかねないからな」

「ああ、そういうことだ。僕としては心配はしていないけど、確認はすべきだな」


 カイは立ち上がる。同時にこれからのことについて頭の中で思考を巡らせながら、


「どういう状況下を確認には行くけれど、場所が場所だから時間は掛かる……その間、魔力の観測を続けてくれ」

「わかった。仲間達にはどう説明すればいい?」

「確認は僕だけで十分だ。深追いする必要はない……何か不測の事態が起きているとわかれば、改めて連絡し対策を立てよう」


 カイはそこまで言うと部屋を出ようとする。


「それと、ツカサ」

「ああ」

「魔物の動向などについては、逐一チェックを頼む……今回のことが邪竜の仕業なら、何かしら動きがあるかもしれない」

「任せてくれ」


 カイは部屋を出る。確固たる足取りで建物の外へと向かう。

 障害はなく、カイは外へ出るとまずは電話を掛けた。


「予定通り、僕が当該の場所へ向かう……そちらの都合の良いタイミングで、動いてくれ」


 それだけ告げると通話を切った。そしてカイは一度立ち止まる。

 改めて――空を見上げる。本当にこれでいいのか、と。


「……エリカ」


 そして彼女の名を呟いた。


「……絶対に、後悔はさせない」


 宣言と同時にカイは進む。同時に無意識の内に拳を握りしめていた。



 * * *



 押し寄せる魔物に対し、ユキトは的確に動きを読んで刃を決めていく。剣には一切淀みがなく、退路も塞がれ絶望的な状況ではあるが、冷静に対処できていた。

 これはユキト自身の経験もある――絶望的な状況は、最初に異世界へ召喚された時に経験していた。どれだけ斬っても際限なく襲い掛かってくる魔物。退路が断たれた状況かつ、仲間も負傷した圧倒的な劣勢。そして戦場で、覆せないほどの戦力差。


 ありとあらゆる方法で邪竜はユキト達を苦しめた。しかし、それを打破しユキト達は邪竜との戦いに勝利した。

 そうした経験がある以上、ユキトは冷静に対処し敵を屠り続けた――ディルが持つ継続戦闘能力もあり、疲労など一切無いまま敵の数だけが減り続ける。


 だが、どれだけ斬っても地底の奥からは魔物が出続ける。その状況によって最初に声を上げたのはディルだった。


『魔物……いくらなんでも多すぎない?』

「ディル、地底の気配はつかめているか?」

『うん、魔物がここへ昇ってくる……ただ、無限というわけじゃない。霊脈を使って魔物を生み出したのは間違いないと思うけど、魔物生成の罠による効果も途切れ、現在進行形で魔物が生み出されているというわけでもなさそう』

「洞窟そのものが魔法によって作られたものであるように、罠も事前に仕込みをしていたんだろう。俺達が地上で色々と動き回っていた最中、邪竜はここで何かやっていたというわけだ」

『これだけの数が一気に地上に出れば大混乱になるね。それが目的?』

「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」


 なおも魔物を斬り続けながらユキトは応じる――様々な推測が浮かぶが、今はまず魔物を迎撃しなければならない。そう考えユキトは戦闘に意識を向け、襲い掛かってきた魔物を容赦なく切り払った。


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