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黒白の勇者 ~再召喚された異世界最強~  作者: 陽山純樹
第六章

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増える仲間

 リュウヘイ達の記憶を戻すべく、ユキト達は平日の放課後に一度集合した。その場にはユキトにカイ、さらにメイという三人。学校近くのカフェに集合して話を始める。


「まずリュウヘイだけど」


 と、カイが先んじて切り出した。


「部活が終わるタイミングで呼び出した。僕が話をしている間にユキトがさっと割って入り記憶を戻してくれ」

「別に構わないけど……どんな理由で呼んだんだ?」

「そこはまあ、色々と」

「カイなら色々と理屈はつけられるか……わかった。問題はアユミとシオリか。そっちはどうするんだ?」

「二人同時に、というわけじゃないよ」


 と、ここでメイが口を開いた。


「一人一人個別に誘い出して……」

「なんだか悪巧みしているようだな、その言い方だと」


 ユキトのツッコミに対しメイは「あはは」と笑う。


「その辺りはご愛嬌ということで」

「わかったよ……それでカイ、方法は?」

「アユミとシオリについては、友人達と町を見て回る予定らしい。これはメイがSNSを通じて確認してある」

「そこでメイが出てきて……って感じか?」

「正解だ。僕の出番はないから出ないことにして……問題は、その友人についてだね。仲間じゃないから、話をする場合は離れてもらう必要がある」

「その辺り、何か方法はあるのか、メイ」

「その場で状況を説明しなくても問題はないでしょ? なら、記憶を戻してからその友達を交えて遊んだ後、私から説明するよ」

「記憶を戻してから俺やカイの出番はなしか……それでよさそうだな。で、まずはどっちから?」

「リュウヘイの方だね。今日部活はミーティングの日だから、すぐに会うことができるよ」

「なら今からだな……メイはどうする?」

「私はアユミ達と顔を合わせてくるよ」

「わかった。よさそうなタイミングを見つけたら連絡をくれ」


 ユキトの言葉にメイは「わかった」と了承し、ユキトとカイ、そしてメイは二手に分かれた。






 その後、カイはリュウヘイと顔を合わせ、ユキトは偶然を装う形で彼と目を合わせ――記憶を戻した。これについては特段問題はなかった。

 結果、リュウヘイは最初戸惑う表情を見せたが、カイから説明を受けて状況を飲み込み、話をすることとなった。


「イズミの方は既に記憶を取り戻して霊具を……」

「リュウヘイの方はどうだい?」


 カイからの問い掛けに対し、リュウヘイは少し体を動かし、


「……魔力は扱えるな。不思議なもんだな、体は元に戻っているのに記憶だけで扱えるとは」

「僕らが元々持っているものだ。それを感じ取る技法さえ憶えていれば、使えるというわけだね」

「なるほど……で、ユキトはディルを持ったままと」

「ああ……それでリュウヘイ、協力してもらえるのか?」

「そのために記憶を戻したんだろ? ああ、俺は構わないよ。他に記憶を戻そうとしている人はいるのか、カイ」

「最終的には全員……と言いたいところだけど、ユキトの記憶を戻す手段を考えると性急にやるのは難しいかな。それに、一度に集まるのも難しいし」

「そうだな……ま、ともかく協力はする。ただ、俺は元々守り側の人間だ。霊具もないし、どこまで役に立てるのかわからないぞ」

「そこは大丈夫……まずは現在持っている能力の検証から始めたいところだけど、リュウヘイとしては都合の良い日はあるかい?」

「決められるのか?」

「うん、放課後でも休日でも。ただ今日はさっき話した通りメイも動いているから、検証するにしてもアユミやシオリの記憶を戻してからになるね」

「なら俺は、アユミ達がどうするのか聞いてから考えるかな」

「ここで待つってことかい?」

「ああ、それでいい」


 リュウヘイの言葉にカイは頷き、ひとまずメイから連絡が来るまで待つことに。そこでユキトは、


「さて、色々とゴタゴタした中で記憶を戻したわけだが……」

「人々が知らない場所で戦う秘密組織、だな」

「それ、他の仲間にも言われたよ」


 苦笑するユキトに対し、リュウヘイは少し神妙な顔つきとなった。


「なあユキト、再召喚されたって話だが……」

「不本意ながら、だな。でも俺が戻ったことでこうしてカイを始めとして仲間に記憶が戻り、なおかつ異世界での戦いについても決着をつけることができた。これはこれで良かったと思うよ」

「結局、何もかもユキトに任す形になったわけだな……」

「思い詰めなくてもいいさ。召喚された経緯はともかくとして、俺は自分のやりたいようにやっただけだ」

「そっか……ユキト、改めてよろしくな」

「ああ」


 ――そこで、カイのスマホに着信が。彼が出ると何やら話をして、


「……ん、どうした?」


 カイが眉をひそめる。相手はメイだと思ったユキトは訝しげな視線を送ったのだが、


「わかった。調べてみるよ」


 カイは通話を切る。そのタイミングでユキトは、


「何があった?」

「……メイから連絡があった。まだタイミング的には早いからもう少し時間が掛かるという話だけど、妙なものを見つけたと」

「妙なもの?」


 聞き返したユキトにカイは小さく頷きつつ、


「まずは現場に向かう……大通りから離れた場所にある公園だ――」


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