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黒白の勇者 ~再召喚された異世界最強~  作者: 陽山純樹
第六章

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初陣

 炎の槍――それが決定打となって魔物はとうとう消滅した。これで、戦闘は終了。カノが息をつく間に、ユキトは幾度か頷いて、


「うん、問題ないな」

「どうだった?」

「魔法の制御についても十分だ……ただ、そうだな……戦いぶりを見ている限り、制御能力については、現時点でカノが一番かもしれないな」


 彼女が持っていた霊具はかなり癖のあるものだった。召喚されて彼女が霊具を持ってきた時、ユキトは驚いたのだが――特性上、強力ではあるが制御そのものの難易度が高かった。

 そうした霊具を手にしていたからなのか、カノの魔力制御能力は、スイハやタカオミと比較しても相当高いものだとユキトは感じた。


「タカオミやスイハの場合は、元々強力かつ、非常に多様性のある霊具だったけど、カノの場合は特化型の霊具だったから、その恩恵によって制御能力が上がっているのかもしれない」

「今の戦いでもちゃんと制御できていた?」

「ああ。炎の魔法、というカテゴリーならこの中で一番だな」


 一番、と言われたためかカノはどこか嬉しそうな表情を見せる。そうした中でユキトは、さらに仲間達へ言及した。


「各々の能力を見せてもらったけど、所持していた霊具の特性を利用したものであるのは間違いない……そして、魔物にも十分対抗できるだけの力を有していると断言できる」

「とりあえず、戦力にはなれそうだと」


 ノブトが言う。それにユキトはもちろんとばかりに首肯し、


「ひとまず戦いに問題はないと思う。ただ、霊具がない現状だといずれ限界は来るし、現段階でここまで鍛えているなら、ここから伸びしろは少ないかもしれないけど……焦らなくて問題はないから」


 その言葉に仲間達は頷く――これで終わりだとユキトが宣言しようとした時だった。

 訓練場に、一人の人物が入ってくる。その人物は春伏であり、


「申し訳ありません、トレーニング中に」

「どうしましたか?」


 応じたのはスイハ。春伏の様子は明らかに慌てている様子であり、ただならぬ出来事が生じたのだとユキトも理解した。


「急報です。魔物が出現しました」


 それはつまり敵の組織が――と言おうとしたところで、春伏は首を左右に振る。


「いや、それが山中に突如出現を。どうやら地底から湧いているようですが……」

「……ユキト、それってもしかして……」


 スイハが言うと、ユキトは腕を組む。


「魔物……もしかすると、前回の騒動によって倒しきれなかった魔物が巣を作ったのかもしれない」

「どうすれば?」


 春伏が問い掛ける。そこでユキトは、

「現状では、一般の人に影響はありませんよね?」

「はい、人里からずいぶんと離れた場所なので」

「魔物を見つけたのは誰かからの報告ですか?」

「カイ君達が作成した魔法陣……魔物の出現について索敵する魔法によるものです。おおよその方角などを割り出すことが可能であり、それによって調査をしたら魔物が出現しているとわかりました」

「……そうですか。春伏さんは、カイへ連絡をお願いします」

「はい。ただ、来るにしても多少なりとも時間は掛かりますが……」

「早急に対応はします。カイには連絡をして、ここへ来るように指示してください。魔物の討伐は」


 ユキトは仲間を見回す。


「ここにいる面々で」

「初陣、というわけだ」


 ノブトが口を開く。体には烈気をみなぎらせており、既に臨戦態勢だった。


「俺達でどうにかなるのか?」

「それは魔物の詳細を調べてみないとわからない。巣を形成しているのであればそれなりの数になるだろうし、場合によってそういったものが複数あって徒党を組んでいる可能性もある」

「場合によっては、想像以上にまずいかもしれないってことか」


 ノブトの言葉にスイハやタカオミなどは深刻そうな表情をするのだが、ユキトは違った。


「いや、そういった巣を形成する魔物は基本、自分達のテリトリーを守ろうとする。動物が外敵を住処から追い出すように……魔物は単独で動く場合と集団で動く場合とでは特性が違う。おそらく集団を形成している魔物達は町へ降りてくることはない……ひとまず、人的被害については心配ないだろう」

「邪竜に作成された魔物でも同じなのか?」

「そうだ。魔物の特性、というか魔力の塊である魔物達の構造的なものだ。春伏さんが慌てるように、魔物が出現し集団でいるのは確かに脅威だけど、そういった魔物達は無理に住処を離れようとはしなくなる……春伏さん、索敵については常に行い、状況がわかるようにだけしておいてください」

「わかりました。何か異常があればすぐに連絡をします」

「お願いします……さて、集団を形成しているなら、こちらも相応の動き方をしないといけない。何はともあれ敵の数を把握し、巣の位置を特定する……タカオミにも手を貸してもらうかもしれない」

「わかった」


「今日訓練成果を見せてもらったわけだけど、すぐに実戦という形になったな……でも、心配はいらない。今示した成果を出せば、例え集団を形成する魔物であっても対抗できる。今からどういう風に動くのか、説明する。それからすぐに出発して、カイには後詰めをお願いする……それじゃあ、早速それぞれの役割から説明させてもらう――」


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