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傷心の果てに9

「例えば私が保険金を遣い死に行くのを周囲から頑張れと言われたら、私は現在進行形と言うか、今でも大いに頑張っているから頑張るわけですよ。それは世間一般の事からすると、明らかに後ろ向きな事なのだけれども、私にしてみれば前向きに旦那との一体感を図る愛の成就なわけですよ。こんな具合に精神病にも個人差は絶対に有って、それに類例常識を当て嵌めてパターン化しても意味が無いと思うのですよね」と客は言った。

ホスト亭主が尋ねる。




「そんなものですかね?」




客が頷き答える。





「例えば私が保険金を遣い死に行くのを周囲から頑張れと言われたら、私は現在進行形と言うか、今でも大いに頑張っているから頑張るわけですよ。それは世間一般の事からすると、明らかに後ろ向きな事なのだけれども、私にしてみれば前向きに旦那との一体感を図る愛の成就なわけですよ。こんな具合に精神病にも個人差は絶対に有って、それに類例常識を当て嵌めてパターン化しても意味が無いと思うのですよね」





ホスト亭主が注釈を入れるが如く尋ねる。





「でもそれって鬱病の患者にしてみれば、前向きに頑張れという言葉に触発されて、後ろ向きに死にたくなるという意味だから、やはり類例に比例すると言うか同じ意味ですよね?」





客が否定する。





「いや、違いますね。世間一般の常識に照らし合わすと確かに死に行く事は後ろ向きなのだけれども、私にとっては愛の成就に向けての前向きな姿勢であるからこそ、死に行く事は前向きなのですよ。捉らえ方の問題なのだけれども小難しく考えないで、私にとってはそうなるのですよ」

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