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傷心の果てに8

「御免なさい。ところで貴方は私みたいな精神病患者の客についた事はありますか?」と客は苦笑いしてからホスト亭主に尋ねた。

ホスト亭主が眼を見開き言った。





「本気で言っているのですか?」




客が手品の種明かしをするように微笑み答える。





「嘘です。冗談ですよ。貴方は旦那になんかちっとも似ていないし、精神病患者の戯言だと思って聞き流して下さいませ」




ホスト亭主が息をつき、眼を細めて言った。




「悪い冗談は止めて下さい」




客が苦笑いしてから言った。





「御免なさい。ところで貴方は私みたいな精神病患者の客についた事はありますか?」





ホスト亭主が頷き答える。





「ええ、あります。別段そのお客さんの状況がどんな状況であろうとも客には違いありませんから」





客が恭しく頷いてから尋ねる。





「どうですか、接客する上でそういう客は難しいですか?」





ホスト亭主が頷き肯定する。





「正直それはありますよね。言っていい言葉と、言ってはいけない言葉がありますから」




「例えば?」





尋ねられ、ホスト亭主が答える。





「鬱病の患者さんには、頑張れの励ましは禁句でしょう?」





客が答える。





「そうですね。でもそれはあくまでも類例の理であり、私も鬱はあるのですが、様々な病状病名を跨いでいて、頑張れと言われても死にたくなったりはしませんよね」

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