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傷心の果てに3
「だから全ては無。無の連鎖ならば、可能性の問題だけであり、生きて罪を購うやり方もあれば死んで罪を購うやり方も当然あるわけであり、その両者に絶対性はありませんよね。そう思いませんか?」と客は言った。
ホスト亭主が言う。
「でも死んでしまえば罪に対する購いは出来ないから、それは旦那の死を逆の意味で冒涜する事になりませんか?」
客が反論する。
「何故旦那の後を追って死ぬ事が罪の購いにならないのですか。そんな事人間と言うか人知では理解出来ない事柄ですよね?」
ホスト亭主が渋面を作り苦しい弁解をする。
「いや、生きていればこその罪の購いだという見地から、自分は意見した次第なのです」
客がハイボールを飲んでから自嘲ぎみに笑い言った。
「だから全ては無。無の連鎖ならば、可能性の問題だけであり、生きて罪を購うやり方もあれば死んで罪を購うやり方も当然あるわけであり、その両者に絶対性はありませんよね。そう思いませんか?」