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傷心の果てに18

出勤途中のホスト亭主は街中で客のやつれ切った後ろ姿を目敏く発見し走り出した。

折り重なる自殺情報が幾重にメディアを賑わす中、いたたまれない不安と苛立ちのままに不眠状態が続いたある夕暮れ、出勤途中のホスト亭主は街中で客のやつれ切った後ろ姿を目敏く発見し、ここぞとばかりに声を掛ける為にダッシュしたのだが、雑踏の中直ぐに客の姿を見失い、ホスト亭主はうろたえ焦り、全力疾走で走り出した。





とにかくやにくもに走って再度客の後ろ姿を見定めようとするのだが出来ない。





相当な距離をほぼ全力疾走で走ったホスト亭主は息が切れ、膝を抱え息を調える為に喘いだその時、前方に再び客の後ろ姿を見定め、力を振り絞り猛然とダッシュして追い縋り肩を叩いた。





だが振り向いたその客とおぼしき女性は客ではなく、ホスト亭主は愕然としたまま咄嗟に会釈して言った。





「すいません。人違いでした」





その女性は一つ会釈を返し、そのまま立ち去って行くその後ろ姿を息を弾ませながら眼で追いつつ、ホスト亭主は顎を上げ天を仰ぎつつ、狂おしく雄叫びを上げ、うずくまり、人目も憚らず泣きじゃくり、転じて声を限りにひらすら笑い続けた。

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